久々に最後までCL出場権争いにワクワクするシーズン
今季のリーガ・エスパニョーラは、世界的に見れば物足りない戦いかもしれない。2強の一角だったバルセロナがリオネル・メッシ退団から混乱状態に陥り、昨季王者アトレティコ・マドリードまで失速。ディエゴ・シメオネ政権の終わりが近いと言われるほどの苦戦ぶりだ。
首位にはレアル・マドリードが立っているが、こちらもクリスティアーノ・ロナウドが抜けてからは破壊力が落ちている。以前ほど圧倒的な強さを誇っているわけではない。
もはやバルセロナ、レアルのフットボールは世界最高峰とは言いづらくなったのかもしれないが、この状況を楽しんでいるのがスペインの中堅、あるいは準強豪クラブたちだ。
中でも注目は3位につけるレアル・ベティスだ。近年のリーガはレアル、バルセロナ、アトレティコがトップ3を独占するシーズンがほとんどだったため、ここに割って入れるクラブが存在しなかった。しかし今季は2位にセビージャ、3位にベティスがつけており、両クラブのサポーターにとっては特別なシーズンだ。
特にベティスには2004-05ーズン以来となるチャンピオンズリーグ出場権獲得の期待がかかっている。当時のシーズンはスペイン国王杯も制覇するなど、ベティスにとっては充実の時間だった。あれから15年以上の時が経ち、バルセロナとアトレティコが苦戦しているおかげもあって欧州最高峰の舞台に手が届く位置にいるのだ。
今でこそ少し調子を落としてしまったが、今季前半戦で首位に立つこともあったレアル・ソシエダも楽しいシーズンを過ごしているクラブの1つだ。ソシエダは2013-14シーズンにもチャンピオンズリーグに出場しているが、今季はそれ以来となるチャンピオンズリーグ出場権確保を狙える位置にいる。
アトレティコがどうなるかは分からないが、バルセロナは今後2、3年ほどかけて強豪としての力を取り戻してくるだろう。今のような時間は長く続かないかもしれない。
それでも、スペインの中堅クラブを応援するサポーターたちにとって今季は特別なシーズンだ。十数年にわたって待っていたスペイン3強の牙城が崩れたシーズンであり、サポーターたちは久々に終盤戦までチャンピオンズリーグ出場権争いにワクワクすることになりそうだ。
バルセロナ、レアル、アトレティコが支配していた時代も面白さはあったが、今のような混戦模様なリーガが続くのも悪くはないか。