“ベルギー黄金世代”を活かせず? コートジボワール代表でも失敗した迷将ヴィルモッツがまた大苦戦

イラン代表でも指揮を執ったヴィルモッツ photo/Getty Images

EURO2016では母国ベルギーを指揮

近年のベルギー代表は黄金世代と言われてきたが、本格的に黄金世代が動き出したのは2010年に入ってからだ。EURO2012の出場は逃したが、2014年のワールドカップ・ブラジル大会に出場。ここからベルギーの強さが注目を集めるようになった。

この時チームを指揮していたのは、自身もベルギー代表選手として2002年の日韓大会を戦ったマルク・ヴィルモッツである。同国のレジェンドプレイヤーとして指揮官に就任したわけだが、ヴィルモッツが指導者として優秀だったかと問われると答えに詰まる。

2014年のワールドカップではベスト8に入ったが、さらなる期待を背負って戦った2年後のEURO2016もベスト8で敗退。当時は伏兵ウェールズに敗れる形で大会を去っており、ヴィルモッツはこの大会を最後にベルギー代表監督から退いている。抱えていたタレントたちから考えると、EURO2016でウェールズに敗れてのベスト8は納得できる成績とは言えないだろう。
その後のヴィルモッツはコートジボワール代表、イラン代表、そしてモロッコの強豪ラジャ・カサブランカと指揮してきたのだが、こちらも結果が出ていない。

コートジボワールでは6試合だけ指揮し、まさかの1勝1分4敗と崩壊。続くイラン代表では協会とのトラブルもあったが、ここでも2022ワールドカップ・アジア2次予選でバーレーン、イラクに敗れるなど苦戦したところがある。同じく6試合だけ指揮して3勝1分2敗の成績だった。アジア最強国の1つと考えられるイランとしては納得できない成績だ。

それは昨年11月に就任したラジャ・カサブランカでも変わらず、10試合指揮して4勝4分2敗。ラジャ・カサブランカはモロッコを代表する強豪クラブの1つだが、ライバルで現在首位のウィダード・カサブランカとは8ポイント差をつけられている。こちらもフロントを満足させる成績ではなかったのだ。20日にはクラブを離れることになり、またもウィルモッツの挑戦は短期的なもので終わった。

選手時代に優れていた者が優れた指揮官になるとは限らないが、ベルギー代表でもEURO2016でベスト8など、あまり褒められた監督キャリアではないか。当時のベルギーもより経験豊富な指揮官を任命していれば、さらに上のステージへ進めたかもしれない。ヴィルモッツの監督キャリアはなかなか苦しいものとなってしまっている。

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