攻撃と同様に守備が光っていた
CL決勝トーナメントラウンド16での注目の一戦となったパリ・サンジェルマン対レアル・マドリードの1stレグは1-0でPSGに軍配が上がっている。レアルとしてはこの点数差を考えれば2ndレグでの逆転もあり得るとはいえるが、内容では大きくPSGがリードしていた。そんなホームチームを支えたのが右サイドバックのDFアクラフ・ハキミだ。
ボルシア・ドルトムントやインテルでの活躍が記憶に新しい同選手だが、以前までの保有元はレアルであり、今季からPSGに籍を移している。前述した2クラブでの活躍を見ればハキミはレアルでも十分にプレイできると思うが、インテル在籍時にあった買戻しオプションを行使されず、結局は完全移籍でPSGに加入することになった。
そういった思いもあったのか、ハキミのパフォーマンスは素晴らしかった。攻撃では積極的にオーバーラップし、FWかと思うほどに前線に顔を出している。アンヘル・ディ・マリアとの連携もバッチリであり、右サイドからクロスで攻撃を活性化させている。
これまでのハキミは攻撃に特化したSBというイメージだったが、このレアル戦で評価は大きく変わることになるだろう。守備で対峙するのはドリブル突破に定評のあるヴィニシウス・ジュニオールだが、対峙した際は何もさせず完勝している。味方のサポートはあり、2対1の場面もあったが、ヴィニシウスが試合を通して静かだったのはハキミの働きが大きく影響していた。地上戦でのデュエル勝利数は11回中7回であり、データとしてもハキミの強さが出ている。
左SBのヌーノ・メンデスと共に攻守で躍動を見せた右SBのハキミ。特にヴィニシウスを抑えた守備は見事であり、今後は継続して評価を上げるSBになるだろう(データは『SofaScore』より)。