今季もプレミアで首位を独走しているマンチェスター・シティは13日にノリッジ・シティと対戦。相手GKであるアンガス・ガンのファインセーブに序盤は苦しめられるも、ラヒーム・スターリングが決定力の高さを見せつけ、最終的には4-0と圧勝となった。
中2日で開催されるCL決勝トーナメントラウンド16スポルティング・リスボン戦の兼ね合いもあり、控え選手中心で臨んだ対ノリッジだが、輝きを放ったのはオレクサンドル・ジンチェンコだった。
攻撃的なMFから左サイドバックにコンバートされ、その後はトップチームで出場機会を掴んでいるジンチェンコ。昨季はジョアン・カンセロを退けてのファーストチョイスであり、CL決勝チェルシー戦でもスタメンを飾っている。
今季はそのカンセロにポジションを奪われ、ノリッジ戦が12月のレスター戦以来の先発となったが、プレイタイムの少なさを感じさせないパフォーマンスを披露している。
特に攻撃の場面で光ったのは高精度のクロスだ。左サイドでは高い位置を取り、司令塔のように振舞っていたジンチェンコは何度もクロスを供給し、ガンの守るゴールマウスを脅かしている。また、自身がパスを供給するだけでなく、ボックス内へのランニングで使われる側にも回っており、選択肢のバリエーションの豊富さが伝わってきた。
全体的にハイパフォーマンスだったが、気になったのは切り返して相手をかわした後だ。ノリッジ戦では2度ほどテクニカルな切り返しから高い位置でフリーとなったが、逆足の右でシュートやクロスを選択せず、近い味方にパスをしている。悪いわけではないが、左サイドで右足を中心に攻撃を行っているカンセロと比較すれば物足りなさを感じる。さらに攻撃面でのアイデアもカンセロが上に行っており、やれることの多さと質の向上がなければポジションを奪い返すことは難しいだろう。
プレイタイムが減ることになっても、パフォーマンスが落ちないジンチェンコ。チームにとってこれほどありがたい選手はおらず、日ごろのトレーニングの質の高さがうかがえる。それでも、現状では控えから抜け出すには厳しく、さらなるパワーアップが必要となりそうだ。