10代の頃は大いに注目されていたが……
近年はアメリカサッカー界からチェルシー所属FWクリスティアン・プリシッチ、ドルトムント所属MFジョバンニ・レイナなど、特大のポテンシャルを持つ若手が続々と出てきている。
彼らはアメリカサッカーの新時代を感じさせるプレイヤーではあるものの、これは今に始まったことではない。過去にもアメリカからは世界を騒がせる若手が何人か出てきていたのだが、これが悉くヒットしなかったのだ。
1.フレディー・アドゥー
若い頃のインパクトならアドゥが1番だろうか。飛び級で世代別代表に選ばれていた攻撃的MFのアドゥーは、2004年に14歳でMLSデビューを果たした超新星だった。しかもそのシーズンには得点まで記録しており、スタートは驚くほど順調だったのだ。
2年後にはアメリカA代表デビューも果たし、その翌年にはポルトガルの強豪ベンフィカへ移籍。誰もが欧州でもインパクトを残すと考えたものだが、これが大失敗に終わってしまった。
持ち前の得点力を発揮できず、それはレンタル移籍したフランスのモナコ、ポルトガルのベレネンセス、ギリシャのアリス、トルコのチャイクル・リゼスポルでも変わらなかった。
それからもセルビア、フィンランドに向かったものの、結局2015年にアメリカへ戻ってきた。MLSでの通算成績も133試合で19得点のみとかなり寂しい数字になっており、アメリカの神童は大成しなかった。今は32歳だが、昨年2月からフリーの状態が続いている。
2.ゲディオン・ゼラレム
ゼラレムはドイツ出身のMFだが、2015年にはアメリカ国籍を取得。アメリカの世代別代表でプレイした経験を持ち、若い頃はアーセナルの下部組織に在籍していた。ゼラレムの名前を知っているサッカーファンは多いだろう。
アカデミーの頃より有名な存在ではあったが、プレミアリーグのピッチには立てなかった。スコットランドのレンジャーズ、オランダのVVVフェンロにレンタル移籍していた期間もあったが、2019年にアーセナルはゼラレムを手放した。
現在はアメリカのニューヨーク・シティFCでプレイを続けているが、ここでも目立った結果は残せていない。ゼラレムはまだ25歳と若い選手だが、ここからA代表に入るような活躍を見せられるのか。現状のままではかなり厳しいと言わざるを得ない。