欧州初挑戦の地となったイタリアでは自分の持てる力も最大限発揮することができなかったものの、このブラジル代表MFの才能は今フランスで開花しようとしている。はたして、リヨンに所属するルーカス・パケタはこれからもう一度ワールドクラスを目指すことができるのか。
かつては“カカー2世”とも期待されたパケタ。2019年にイタリアの名門ACミランへと加入したものの、在籍した1年半では大きなインパクトを残すことができなかったと言っていい。加入当初こそFWクシシュトフ・ピョンテクとのコンビが注目を集めたが、最終的にはチーム事情もあって出番が激減。すると、2020年夏にリヨンへと移籍することとなった。
しかし、この新天地への移籍をキッカケにパケタのキャリアには再び火がついた。ミラン退団で少し欧州サッカー界における陰が薄くなってしまった印象もある同選手だが、現在は押しも押されもせぬリヨンの大黒柱に成長。中盤セントラルやトップ下、サイドハーフ、さらにはセンターフォワードとさまざまなポジションをこなしつつ、得点に絡む機会も増加している。ミラン在籍時は公式戦44試合の出場でわずか1ゴール3アシストにとどまった同選手だが、リヨンでは公式戦56試合で17ゴール10アシストを記録中。特に今季の活躍には目を見張るものがあり、ここまでの公式戦22試合で7ゴール4アシストと好調だ。
そんなパケタに関しては、現在複数の欧州4大リーグクラブもその動向には注視している様子。仏『FootMercato』も、彼が今後もこの調子をキープするようであれば再びの名門クラブへの移籍もあるのではないかとの見解を示している。そんななか、リヨンのチームメイトである元ドイツ代表DFジェローム・ボアテングもパケタの才能には感銘を受けているようだ。
「僕がリヨンに来てからというもの、パケタの才能には驚かされてばかりだ。彼はよく走るだけでなく、高いテクニックやチャンスメイク能力、ボールキープの技術でチームを助けてくれる。これは僕個人の意見だけど、彼は再びワールドクラスを目指せると思うよ」(仏『Foot 01』より)
リヨンで暴れるセレソンの万能戦士。はたして、今後のパケタはどこまで欧州でその評価を高めていくことができるのか。復活を遂げたブラジル代表MFの逆襲劇は今まさに上演中だ。