復帰後初のフルタイム出場を果たしたデンベレ 成長のカギとなる現代サッカーへのアップデート

エルチェ戦に出場したデンベレ photo/Getty Images

まだまだ約191億円の実力は見せられていない

ボルシア・ドルトムントから約191億円の移籍金が支払われ、バルセロナへやってきたFWウスマン・デンベレ。スピードとテクニックを武器に戦うドリブラーであり、この移籍には多くのサッカーファンが注目していた。

しかし、結果は全くの期待外れだった。そもそも怪我の多い選手であり、フルシーズン稼働できていない。最も活躍した18-19シーズンでさえ8ゴール5アシストの数字しか残せておらず、バルセロナは完全に支払う額を見誤ったといえる。

そんなデンベレだが、現在は復帰しており、出場を続けている。直近のエルチェ戦では今季フル出場を果たしており、コーナーキックからフェラン・ジュグラのゴールをアシストしている。その場面以外でも前述したスピードを武器に右サイドから積極的に攻撃を仕掛けていた。対峙するDFの奮闘もあったが、デンベレの攻撃がどれも高水準であり、ここはさすがの活躍を見せたか。

だが、その攻撃以外ではまだまだ改善が必要となる。前半は頑張ってプレスバックを行っていたが、後半はスタミナが切れたのか前半ほどの献身性は見られなかった。2失点目の場面でも大きくサイドチェンジした選手の近くにいたのはデンベレであり、あそこで簡単にパスを出させてはいけない。その後のクロス対応もデンベレがもう少し下がっていれば防げた可能性もあり、守備陣との連携がうまくいっていない試合勘のなさが出てしまっている。今後怪我なく継続した出場機会を得られれば、前述した守備の場面でも改善は見込めるのだが、再び離脱となる可能性は非常に高い。

デンベレ並みの突出している攻撃センスを持っていても、今FWに求められているのはフルタイムで行える献身的な守備であり、現代サッカーに適応するためにもアップデートが必要なのだが、そこで成長できるかで今後のキャリアが決まることになりそうだ。

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