ドイツで成長を続ける“古都のネイマール” 若きサムライが一皮むけるために必要なこととは

ドイツで成長を続ける奥川雅也 photo/Getty Images

25歳とまだ若い選手だ

過去にはシャルケで内田篤人が、マインツで岡崎慎司が活躍したドイツのブンデスリーガ。スペインやイングランドのリーグと比べても、日本人が活躍できるリーグであると言える。現在でもシュツットガルトで遠藤航と伊藤洋輝、フランクフルトでは長谷部誠と鎌田大地が活躍しており、その流れは今も続いているようだ。

昨季からドイツのビーレフェルトに所属しているFW奥川雅也もその一人だ。2015年にオーストリアのレッドブル・ザルツブルクへ移籍した奥川。その後はローンで多くのクラブを渡り歩き、現在はビーレフェルトに完全移籍。2024年まで契約を結んでいる。

昨シーズンは堂安律と共にビーレフェルトの1部残留に貢献した奥川。その活躍もあってか今季はここまでリーグ戦全試合に出場しており、1ゴールを挙げている。

ボールを持った際のドリブルで違いを作れる選手であり、ビーレフェルトでは左右のサイドハーフで起用されている。先日行われたホッフェンハイム戦でも両チームトップとなる4回のドリブルを成功させており、個での突破力はドイツの地でも十分に通用している。

しかし、気になるのはゲームから消える時間が長いことか。ホッフェンハイム戦では右サイドハーフで先発し、90分を戦い抜いた。しかし、タッチ数は29回、フル出場を果たした選手では最も少ない数字である。タッチ数がプレイの良し悪しに直結するわけではないが、後方からしっかりビルドアップすることの多いビーレフェルトでの数字であることを考えると、奥川はあまりゲームに絡めていないと言える。

改善点があるとすれば、ボールを貰う位置の修正か。試合を通して見ていると、奥川は要求しているが、パスが出てこないシーンが散見されている。味方も奥川のことは視界に入っているように見えるが、別の選手にパスを出すことが多い。まだチームメイトからの信頼が薄いのかもしれないが、受ける位置を見ると相手と重なっていることが多く、味方が出しにくい場所に顔を出している可能性も考えられる。

ボールを持ったオンザボールでは違いを生み出せるも、持っていないオフザボールの動きでは改善点が見える奥川。ホッフェンハイム戦でもそこまで攻撃で脅威にはなれておらず、オフザボールの改善は必須か(データは『WhoScored.com』より)。

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