怪物FWさえいればほとんどの問題は解決する チェルシーを救ったルカクの“個”

チームがゼニトの強固なブロックに苦しむなかでも、ルカクは存在感を見せた photo/Getty Images

曲者ゼニトを退けた原動力

現地時間14日に行われたチャンピオンズリーグ・グループステージ第1節にて、ロシアのゼニトを1-0で下したチェルシー。昨季からの連覇を狙う王者は、ゼニト相手に苦労を強いられながらもなんとか勝利を手にしている。

そんなゼニト戦にて、ひときわ輝いたのがFWロメル・ルカクだ。試合開始から強固なブロックを築き、ボールの取りどころにはしっかりとプレスをかけてくるゼニトに対して、ルカクは持ち前のフィジカルとインテリジェンスを駆使しながら突破口を開こうと前線を奔走。昨季までのスカッドならもっと苦しい戦いを強いられていたはずだが、ルカクがいたおかげでチェルシーは“まったく攻め手がない”といった状況にはならなかったと言っていい。

そして、その継続的な努力が実り、ルカクは69分に高さを活かしたヘディングシュートで決勝点を挙げてみせた。試合を通しての貢献度は抜群で、そんなストライカーにはデータサイト『WhoScored.com』もチーム最高の評価点「7.5」をつけている。
「シーズン開幕前、チェルシーは9番の選手を探していることは誰もが知っていた。レヴァンドフスキやハーランド、ムバッペ、ロナウド……。さまざまな名前が紙面を賑わせたね。だが、そのなかでも最高の1人であるルカクを確保することに成功した。結果的に多くの移籍金を払うこととはなったけど、彼の獲得は素晴らしいビジネスだったと言えるね。スピード、パワー、エアバトル、インテリジェンス……。フィニッシャーとして必要なものを、彼はいくつも持っている。チェルシーがCLで連覇を果たすためには、間違いなく必要な選手だよ」(英『Daily Mirror』より)

クラブOBのジョー・コール氏もこのように話しているが、まさにその通りと言えるだろう。中央にどっしりと構えて得点を奪えるだけでなく、味方を活かすために丁寧なパスも出せるルカク。移籍金は高くついたが、多くの問題を彼ひとりで解決できると考えれば金額に見合う補強だったことは間違いない。ルカクはこのゼニト戦で、その価値を改めて証明したと言っていいだろう。チェルシーが手に入れたラストピースは、周囲の予想を超えて躍動している。

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