スパレッティ就任で一気にセリエAの頂点へ? ナポリが身につけた“勝ちの拾い方”

ユヴェントスに勝利し、セリエAで開幕3連勝を飾ったナポリ photo/Getty Images

開幕3連勝で最高のスタート

ジョゼ・モウリーニョ新体制のASローマやマッシミリアーノ・アッレグリが復帰したユヴェントス、そして昨季覇者のインテルなど……。今季のセリエAには注目のチームが多く、開幕前から波乱の予感は漂っていた。しかし、そんな注目のシーズンでスクデットを掴むのは少し意外なチームなのだろうか。南イタリアの古豪が、開幕からスタートダッシュに成功している。

その古豪とは、今季からルチアーノ・スパレッティ監督が率いるナポリだ。周囲のチームが華のある監督を招聘する一方で、堅実にセリエAでの経験豊富な人物を新指揮官に据えた同クラブ。他の上位クラブと比べれば少し地味かもしれないが、大崩れしにくいチームづくりに長けたスパレッティの招聘で彼らはもう一段階上のレベルへと足を踏み入れることとなるか。

現時点では、うまく事が運んでいると言っていいだろう。ここまで楽な試合はなかったものの、結果的には開幕からの3試合で全勝することに成功したナポリ。決して平坦な道ではなかったが、彼らはそういった逆境をものともせず、開幕3連勝という最高の結果を掴んでみせたている。

その根幹にあるのは、やはりスパレッティの優れた修正力だろう。シーズン開幕前にMFディエゴ・ デンメが負傷した際も、第1節のヴェネツィア戦でFWヴィクター・オシムヘンが一発退場した際も、この指揮官は冷静に対処しながら新たなプランを捻り出してチームを勝利に導いている。現地時間11日に行われた第3節のユヴェントス戦でも、ナポリは途中まで相手の中央封鎖にかなり手こずらされたが、最終的には2-1で逆転勝利。チームが苦しい状況に置かれても、豊かな経験を活かして最善手を見つける能力はこの3試合で随所に見て取れたと言っていい。決して派手ではないが、自分たちの急所を消す術には優れた監督と言えるだろう。

おそらく、昨季まで指揮を取ったジェンナーロ・ガットゥーゾ監督のチームに足りなかったのはこれだ。いい試合をしても勝ちきれない。そんな試合は何度かあっただけに、内容がそこまで良くなくとも“勝ちの拾い方”を知っているスパレッティは最高の補強となったか。デンメやスタニスラフ・ロボツカといった面々が離脱中で、ピオトル・ジエリンスキを筆頭に万全の状態ではない主力も何人かいるナポリだが、それでも“強い”彼らが今季のセリエAを席巻することとなるかもしれない。

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