“ハンバーガー”が好きすぎて消えた若き天才MF マンUの2冠に貢献した男

かつてはマンUの中盤で輝きを放っていたアンデルソンだが…… photo/Getty Images

才能だけで成功は掴めない

どんなアスリートにとっても、“食”との向き合い方は大切だ。どれだけ一度の試合でカロリーを消費するといっても、食生活に気を遣っていない選手が成功を掴むのは難しい。

ひとり例を挙げるとすれば、かつてセリエAで活躍したMFフランセリーノ・マツザレムあたりか。現役時代には中盤から局面を打開するパスや、ファンタジスタを支える見事なポジショニングが光った彼だが、キャリア初期の乱れた食生活は未だに後悔している様子。昨年4月には「ナポリで食べ続けたモッツァレラチーズは僕にとって神のような食材だったが、アレが僕を助けたことは一度もなかった。チーズを食べすぎなければセレソンにだってなれていたかもしれない。本当に恥ずかしい思い出だよ……」と語っている。その後はラツィオなどで活躍したものの、食生活のせいで自分は本来の力を出しきれなかったと考えているようだ。

そして、残念ながらマツザレムのように“好きな食べ物”のせいでキャリアが狂ってしまった選手がほかにも。現在イスタンブール・バシャクシェヒルに所属する元ブラジル代表DFラファエルが挙げるのは、マンチェスター・ユナイテッド時代の同僚だ。
「高速道路でサービスエリアへ寄るたびに、アンデルソンは『マクドナルド、マクドナルド!』って叫んでたよ。本当にクレイジーだと思ったね。でも、僕は彼のフットボールにおける才能が大好きだった。プレイをしているうちはまだ大丈夫だったんだ。ただ、怪我をしても彼はハンバーガーを食べ続けていた。食生活が彼に大きな影響を及ぼしていたのは明らかだったね」

「アンデルソンが多くの試合に出場していたときに好調だったのはそのせいだ。出場数が増えていたときはあまりハンバーガーを食べていなかったからね。もし彼がハンバーガーに魅了されていなかったら、もしかすると世界一の選手になっていたかもしれない」(英『Daily Mail』より)

2005年に開催されたU-17W杯でブラジル代表として準優勝を果たし、最優秀選手賞も受賞したアンデルソン。その後ポルトを経て2007年にマンUへ加入し、移籍初年度からチームのリーグ優勝とチャンピオンズリーグ制覇に貢献した男を覚えている人は多いだろう。しかし、そこからキャリアは下降線を辿り続け、彼は結局2019年に31歳の若さで現役を引退することに。どうやら、彼が消えてしまった大きな理由は、無類の“ハンバーガー好き”だったことが大きく関係していたようだ。

備えている才能は間違いなく規格外だったものの、食生活に気を遣うことができなかったために長期間活躍できなかったアンデルソン。はたして、彼がハンバーガーを食べすぎなければ今頃どんな選手として人々に認識されていたのだろうか。「たられば」を言っても仕方はないが、気になるのは間違いない。

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