今夏移籍市場にて、これまで長く最終ラインを支えてきたセンターバックがいずれも退団する可能性が浮上しているレアル・マドリード。スペイン代表DFセルヒオ・ラモス(35)はいまだに契約延長の話が進展を見せず、フランス代表DFラファエル・ヴァラン(28)には各方面から移籍の噂が。そんな状況もあって、次第に夏のCB“2枚抜き”は現実味を帯びてきている。
2016-17、そして2017-18シーズンのチャンピオンズリーグを制した名コンビが揃って退団となれば、レアルにとって大きな打撃となることが予想される。S・ラモスの退団は仕方ない部分があるかもしれないが、せめてヴァランの流出は阻止したいところと言えるか。
しかし、もし今夏“最悪の事態”が起こったとしても、レアルがそう慌てることはないのか。痛手であることに違いはないが、ここのところ次世代CBが急激にその評価を上昇させてきているのだ。
その次世代CBとは、2019年夏にポルトから加入したブラジル代表DFエデル・ミリトン(23)だ。移籍からしばらくは低調なパフォーマンスが続き、一時は“失敗補強”の烙印も押されかけた同選手。だが、シーズン終盤戦に突入してから彼の評価はうなぎのぼりだ。以前まではどこか頼りないイメージがあったミリトンだが、今では積極的なプレイでチームの守備を引っ張る存在となっている。
持ち味のハードなタックルも冴え渡っており、CL準決勝1stレグ・チェルシー戦では驚異のタックル数7回を記録。加えて、地上戦勝率は69.2%(13回中9回勝利)をマークしたというのだから驚きだ。そうかと思えば、現地時間2日に行われたリーガ第34節のオサスナ戦ではエアバトルでの強さが際立った。この試合での空中戦勝率は87.5%(8回中7回勝利)。近頃のミリトンは相手の攻め方に応じて、自身の強みを最大限活かせる選手に成長してきている。
少し前までは夏の放出候補にも名前が挙がっていたミリトンだが、彼がいればレアルは主力CBの放出をそこまで恐れずとも大丈夫か。スペイン『MARCA』によると、今季限りでバイエルン・ミュンヘンを退団するオーストリア代表DFダビド・アラバの加入も濃厚とのこと。来季守備陣の陣容がガラリと変わる可能性が出てきた白い巨人だが、クオリティが落ちることはないかもしれない(記事内スタッツはデータサイト『SofaScore』より)。