“タレント任せ”がどこまで通用するのか 攻撃の立て直しが急務のPSG
ネイマール、ムバッペと超一流のタレントを揃えるPSGだが、連携に不安がある photo/Getty Images
リール戦は0-1の敗戦に
チャンピオンズリーグではベスト8に進出。直近の国内カップ戦やリーグ戦ではリールやリヨンといった上位陣を下しており、順調にタイトル獲得に向かっているリーグ・アン王者パリ・サンジェルマンだが、今後の雲行きが怪しくなっている。
4日に行われたリールとの首位対決では、チームのエースであるネイマールが1月31日に行われたロリアン戦以来となる先発での復帰を果たした。サイドでの出場が多い同選手だが、司令塔として攻撃を支えるイタリア代表のマルコ・ヴェラッティが新型コロナウイルスの陽性反応が出たため出場できず、ネイマールがトップ下での先発となった。
試合開始直後からボールを保持して攻勢を仕掛けるも、リールの守備が堅くペナルティエリア内で好機を作り出せない。左にはキリアン・ムバッペ、右にはアンヘル・ディ・マリアと攻撃力には定評のある選手たちを擁するにも関わらず、良い場面が作れない。
理由としては崩しのパターンの少なさが挙げられる。基本的にはネイマールやムバッペといった選手はドリブルを中心とした個人技での打開で攻略の糸口を探すも、守備に定評のあるバンジャマン・アンドレやチアゴ・ジャロのプレスをかわしてチャンスを生み出すことが出来なかった。この日、ネイマールは7本のシュートを打っているが、そのうち枠内は1本と大事な場面ではしっかり守備に寄せられており、物足りない数字となっている。
サイドからの崩しも整備されておらず、サイドバックやサイドハーフの選手が孤立する場面が散見された。そのため、サイドの選手には単騎での突破が求められるのだが、堅守を誇るリールの前ではクロスを上げるのが精一杯となっていた。しかし、リールのセンターバックは長身のジョゼ・フォンテとスヴェン・ボトマン。空中戦で勝つのは容易でなく、クロスを跳ね返され続ける悪循環に陥ってしまっている。
このように攻撃での連携面に問題を抱えるパリ・サンジェルマン。結局、リール戦では前半に喫した失点が重くのしかかり敗戦、首位陥落となってしまった。8日にはCLでバイエルン・ミュンヘンとの大一番を控えている。タレント任せの攻撃でドイツ王者を破ることが出来るのか、現状では不安の方が大きい。