ジェズスが見出した新境地 “1.5列目”起用で覚醒の兆しか

2点目を決めたジェズスはまた新たな面を見せた photo/Getty Images

エースの退団も彼がいれば問題なさそうだ

終盤に差し掛かっているプレミアリーグ。チェルシーがWBAにまさかの5失点大敗など波乱の再開となったわけだが、マンチェスター・シティは上位対決であるレスター・シティと対戦。序盤にはこちらも5失点と守備の課題を突き付けられたマンCだが、この試合は相手の枠内シュートを2本に抑える堅守を披露。ガブリエウ・ジェズスの得点を含む2ゴールで白星を挙げ、前半戦の借りを返す形となった。

この試合は代表戦後ということもあり、今回の先発は半数以上の選手が代表招集外の選手となった。その中で最も躍動したのは、得点を決めたジェズスだ。[4-5-1]を採用してこの試合に臨んだマンCはブラジル代表FWを左サイドハーフとして起用。実際は先制点を挙げたバンジャマン・メンディが左を大きく使うため、中央にポジションを取ってセルヒオ・アグエロと2トップを組むような場面が散見された。といっても、アグエロとは横並びではなくアルゼンチン代表の近くで飛び出しやチャンスメイクを行う、いわば1.5列目での役割がこの日のジェズスの仕事となっていた。

本来は最前線を張る役割を任されることの多いジェズスだが、レスター戦での起用は彼を最大限生かせるベストポジションであると考えることができる。
普段は前線で潰れ役となってしまい、ゲームから消えてしまうことも多い同選手だが、マークが難しいシャドーであればある程度、自由にプレイすることが出来る。これはスタッツにも表れており、データサイト『WhoScored.com』によれば、この日のシュート数はチーム2位となる2本を記録。キーパスも3本とチームトップの数字を出している。更にはドリブル成功数が3回と前を向いてボールを受けることが増え、元々備えていた巧みな足技から好機を演出できるようにもなっている。守備に注目が集まりがちな同選手だが、攻撃性能の高いFWであることを示した試合であったと言える。

それでも代名詞である貢献度の高い守備は健在であり、この日はタックル成功数でも3回とチームトップの数字を記録している。マンCの武器であるハイプレスを掛けるスイッチの一人である彼だが、今後もチームに欠かせない存在であることは間違いないだろう。

ミッドウィークにはボルシア・ドルトムント戦を控えており、先発が予想されるジェズス。プレッシャーの掛かる大一番だが、彼の良さである攻守にわたる高い貢献度を発揮する姿に期待したい。

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