“アヤックスCL4強戦士”たちの今 ビッグクラブで明暗は分かれたか

若き主将としてアヤックスをまとめていたデ・リフト photo/Getty Images

2018-19シーズンに22年ぶりのCLベスト4

2018-19シーズンの欧州チャンピオンズリーグで22年ぶりとなるベスト4入りをはたし躍進したアヤックス。決勝トーナメントで優勝候補のレアル・マドリードやユヴェントスを下すサプライズを起こすなど、ヨーロッパに旋風を巻き起こした。

その活躍もあり、2019年夏にフレンキー・デ・ヨングがバルセロナ、マタイス・デ・リフトがユヴェントスへ移籍。また2020年夏にもハキム・ツィエクがチェルシー、ドニー・ファン・デ・ベークがマンチェスター・ユナイテッドへ引き抜かれた。それぞれの環境で選手たちは奮闘を続けている。

バルセロナで2年目を迎えたデ・ヨングは23歳にして名門の主軸として成長を果たしている。今季から就任したロナルド・クーマンのもと、中盤だけでなく最終ラインも任されるなどポリバレントな働きを見せチームに欠かせない存在に。攻守における存在感はリオネル・メッシに次ぐものがある。
ユヴェントスでプレイするデ・リフトも1年目こそ適応に時間を要したものの、セリエAの名門で着実に経験を積んでいる。1年目はリーグ戦で29試合に出場すると今季もここまで16試合に出場。レオナルド・ボヌッチやジョルジョ・キエッリーニといった良きお手本の存在もこのオランダ代表DFの成長につながっているだろう。

一方、今年からビッグクラブに加わった2人は苦戦を強いられている。チェルシーに加わったツィエクはカイ・ハフェルツやティモ・ヴェルナーら移籍組に加えて、メイソン・マウントなど既存組の成長もありポジションは安泰ではない。左足でのチャンスメイク能力で熾烈なポジション争いに引き続き加わりたい。

ファン・デ・べークはブルーノ・フェルナンデスという絶対的な柱がいる現状で居場所を見つけられずにいる。カップ戦を中心に徐々に出番は与えられているなか、自身の得意とする人に使われるプレイで持ち味を発揮し、ゴールやアシストといった得点に直結するプレイで存在感を示したいところだろう。

アヤックスからビッグクラブへ引き抜かれた4選手だが、1年目の適応期間を終えチームに馴染みだしたデ・ヨング、デ・リフトに比べると、プレミアリーグ1年目のツィエクとファン・デ・べークは完全にフィットしたとは言い難い。ライバルが多いビッグクラブで新しいリーグへの適応が求められていくだろう。

アヤックスのCL4強に貢献しビッグクラブ行きのチケットを受け取った選手たち。それぞれのチームで奮闘する彼らが欧州トップの舞台で選手としてさらなる成長を遂げるのかは楽しみだ。

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