そう遠くない未来、この男たちがアーセナルの最終ラインを支えていくのだろうか。2020-21シーズンにここまでプレミアリーグで3番目に少ない失点数「27」を記録しているガナーズ。昨季までと比べれば、彼らの守備は劇的に改善されたと言っていいだろう。しかし、来季以降はそんな最終ラインに以前よりも逞しくなった若き守備者がまた加わることとなりそうだ。
その若き守備者とは、現在ニースとシュツットガルトへそれぞれレンタル移籍しているDFウィリアム・サリバ(19)とDFコンスタンティノス・マヴロパノス(23)だ。どちらもレンタル移籍前まではアーセナルでの出場機会が限られていた選手だが、現在の彼らは武者修行先でめざましい成長を遂げている。
まずはニースで奮闘するサリバ。大きな期待を背負いつつも、アーセナルにおける最初の半年間ほとんど出場することができなかった同選手。しかし、この男は慣れ親しんだリーグ・アンで再びクオリティの高さを見せつけている。レンタル移籍以降は、出場可能な公式戦13試合のうち12試合でフルタイムをプレイ。シーズン途中加入にもかかわらず、クリア数では早くもチーム2位となる51回を記録している。身長193cmのサイズを活かした空中戦での勝率(75.86%)も印象的で、サリバはあっという間にニースの最終ラインで欠かせない存在となってみせた。
そして、マヴロパノスもシュツットガルトでは守備陣の重要なピースとなっている。開幕当初こそ怪我の影響で出遅れたものの、ここまでは公式戦13試合に出場。パス成功率(79.5%)や空中戦勝率(73.0%)で安定した成績を残しており、着実にスケールの大きなDFへと育ちつつある。シュツットガルトでは[3-4-2-1]の右CBを務める機会が多く、この経験は状況によって3バックシステムも採用するミケル・アルテタ監督のチームでも活きるだろう。サリバ同様、その将来が楽しみな選手になってきた印象だ。
「我々は今の彼らがどんな状態なのか、とても頻繁に会議を開催してチェックしているよ。先日はレンタルマネージャーのベン・ナッパーとも話をした。選手本人とも密に連絡を取り合っている。彼らがレンタル先でプレイできているのは非常に喜ばしいことだね。来季のチームでどのように起用することができるかなども検討中だ。今の彼らは我々に以前よりもはるかに良い印象を与えているよ」
この2人に関しては、ミケル・アルテタ監督もこのように語っている。指揮官も武者修行先で着実に力をつけている若手DFを、自らの手で再び指導できる日を楽しみにしているようだ。
今季新加入のDFガブリエウ・マガリャンイス(23)とともに、未来のガナーズ守備陣を牽引する存在となることが期待されるサリバとマヴロパノス。彼らが現在の武者修行を終えた際、どこまで頼りがいのある選手となってロンドンに帰ってくるか今から楽しみだ。