カウンターももう通用しない マンC好調の理由は“前線の守備”

激しくチェックにいくマンCの選手たち photo/Getty Images

鬼のプレッシングがカウンターを止める

プレミアリーグ第27節のマンチェスター・シティ対ウォルバーハンプトンの一戦は4-1でマンチェスター・シティが白星を挙げる結果となった。近年、苦手としていた相手を制して昨年の12月20日に行われたサウサンプトン戦からの公式戦連勝記録を21に伸ばした。
 
この試合では、前節のウェストハム戦からスタメンを6人変更して臨んだ。オウンゴールで先制点を挙げるも、追加点は生まれず、逆に61分に追いつかれ、前節同様に苦しめられる展開となった。それでも、終盤にガブリエウ・ジェズスに2ゴールが生まれた結果、快勝となっている。
 
この試合は、前節のウェストハム戦と違い明らかにチームが機能しているように見えた。
 
前節はアグエロ、フェラン・トーレス等がスタメンに名を連ねたが、堅い守備の前に攻略の糸口を見つけられなかった。守備では前線のプレッシャーが間に合わず、ボールロストからマイケル・アントニオに渡って起点を作られ、そこからジェシー・リンガードにチャンスを創出されるなど、危険な場面が散見された。白星は挙げたものの、辛勝となった。
 
スタメンを6人変更して臨んだウルブズ戦では、攻守両面で改善が見られた。攻撃では、ジョアン・カンセロとリヤド・マフレズが幅を取り、ケビン・デ・ブライネが左右に散らしていく。少ないタッチでパスを出すことによって相手の守備陣に余裕を持たせなかった。

守備では、カウンターで脅威となるアダマ・トラオレやペドロ・ネトに対して、人数を掛けた素早いプレスからボールを奪う守備が成功している。守備では後ろの選手に注目が集まるが、マンチェスター・シティの守備は前線から始まる。特にこの試合先発のジェズス、ベルナルド・シウバ、ラヒーム・スターリングの3人によるプレッシャーは、相手にとって脅威となった。近年、苦手としていたバスを止めるサッカーに対しては、攻め切れずカウンターからの失点を喫し、勝ち点を落とすケースが見られたが、今年は前線からの守備が機能しているため、そのリスクを最小限に減らすことができている。
 
この2試合で対照的なパフォーマンスを見せたマンチェスター・シティだが、今後のペップ・グアルディオラ監督のファーストチョイスはどうなるのだろうか。前線の守備のこと、あるいはアグエロの復帰直後ということも考慮すれば、9番の位置はジェズスが優勢だ。サイドは左スターリング、右マフレズになるだろう。一番の注目はイルカイ・ギュンドアン、デ・ブライネ、ベルナルド・シウバの3人の中盤だ。デ・ブライネは復帰後、着々と勘を取り戻しているが、本来の力はまだ発揮しきれていない。チャンピオンズリーグベスト16のセカンドレグ、週明けにはマンチェスターダービーなど大一番が控えており、指揮官の采配に注目が集まる。

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