イングランドに新たな“超攻撃的WB”誕生 チェルシーの20歳にブレイクの兆し
ブレイクを目指すハドソン・オドイ photo/Getty Images
トゥヘルへ猛アピール
近年は3バックを使うチームも増え、攻撃に強みを持つプレイヤーをウイングバックで起用することも珍しくなくなった。FW級の突破力を備えるウイングバックは相手にとって脅威だ。
その波に乗るだろうか。トーマス・トゥヘルが指揮官に就任したチェルシーで注目を集めているのが、20歳のFWカラム・ハドソン・オドイだ。
ハドソン・オドイはドリブルを持ち味としたアタッカーで、イングランド代表にも選ばれた経験を持つ実力者だ。しかしウイングの位置にはティモ・ヴェルナー、ハキム・ツィエク、クリスティアン・プリシッチなどライバルも多い。今季もリーグ戦では思うように出番が増えなかった。
ところがトゥヘルは就任早々から3バックを選択し、右のウイングバックにハドソン・オドイを指名。トゥヘル体制で2試合連続で先発出場することになり、そのパフォーマンスが高い評価を得ている。1月31日のバーンリー戦でもアシストを記録しており、ハドソン・オドイのウイングバック起用は今後のスタンダードになるかもしれない。
そうなると面白いのがイングランド代表だ。イングランド代表も2018ロシアワールドカップでは3バックを採用するなど、戦術のオプションとして3バックを持っている。トゥヘルがチェルシーで3バックを固定するかは分からないが、ハドソン・オドイがウイングバックでブレイクを続ける場合はイングランド代表招集の道も見えてくる。
現在のイングランドはリヴァプールのトレント・アレクサンダー・アーノルド、マンチェスター・ユナイテッドのアーロン・ワン・ビサカ、チェルシーのリース・ジェイムズなど、高い実力を持つサイドバック、あるいはウイングバックが揃っている。その競争にハドソン・オドイも加わるとなれば、イングランドはウイングバック大戦国時代を迎えることになる。
ハドソン・オドイの突破力はプレミアリーグでも通用するレベルにあり、ウイングバックの位置からのびのびと攻撃参加させるのも悪くない。さっそくトゥヘルの信頼を得ることになったが、このまま大ブレイクとなるのか。新指揮官の下で新境地開拓の可能性が見えてきた。