近年の“冬の王者”優勝確率は約8割 ミラン、10年ぶりのスクデット獲得なるか

“冬の王者”に輝いたミラン。後半戦もこの調子を維持できるか photo/Getty Images

優勝を逃したのは2000-01シーズン以降4度のみ

ユヴェントスとナポリが1試合未消化ではあるものの、セリエAは第19節までが終了し、2020-21シーズンも折り返し地点を迎えた。今季はイタリアの絶対王者ユヴェントスが2年連続で体制を変更したこともあってか、ミラノ勢が躍進した前半戦だった。

“冬の王者”は、昨冬の移籍市場でズラタン・イブラヒモビッチが復帰して以降、完全に調子を取り戻したACミラン。開幕戦から第15節まで無敗をキープしたこともあり、13勝4分2敗の勝ち点「43」で、2010-11シーズン以来となる首位で後半戦へ突入した。イブラヒモビッチ不在の試合も多かったが、フランク・ケシエを中心に才能あふれる若手たちが成長しながら実力を発揮し、着実にポイントを積み重ねている。

そして、首位ミランを勝ち点差「2」で追うのが、近年の積極的な補強もあってかつての輝きを取り戻しつつあるインテルだ。序盤戦は新型コロナウイルスの感染者が続出し、チーム状況に苦しむ時期もあった。しかし、第8節から8連勝を記録したほか、第18節ではユヴェントスを2-0で撃破し、12勝5分2敗で勝ち点を「41」まで積み上げている。やはりロメル・ルカクやラウタロ・マルティネスらを擁する攻撃陣が強力で、得点数「45」はここまでリーグ最多となっている。
3位以降はASローマ(11勝4分4敗、勝ち点「37」)、アタランタ(10勝6分3敗、勝ち点「36」)と続き、暫定ではあるもののユヴェントス(10勝6分2敗、勝ち点「36」)は5位となっている。徐々にではあるが、ピルロ新監督が採用する可変システムやスタイルがチームへ浸透しており、後半戦の巻き返しに注目が集まる。

ただ、近年のセリエAの結果から見てみると、ミランが前半戦の勢いそのままにスクデットを勝ち獲る可能性が高いか。2000-01シーズン以降のセリエAで(カルチョスキャンダルによって順位等が変更された2004-05シーズン、2005-06シーズンは除く)、“冬の王者”が優勝できなかったのは、計18シーズンでわずか4度のみ。2001-02シーズンのローマ、2002-03シーズンのミラン、2015-16シーズンと2017-18シーズンのナポリだ。“冬の王者”の優勝確率は、なんと8割近い結果となっている。また、“冬の王者”が後半戦で一時的に順位を落としたことがあるのも、2009-10シーズン(インテル)と2011-12シーズン(ユヴェントス)だけ。つまりこの18シーズン中12シーズンは、“冬の王者”が最後まで首位のまま走り抜けているのだ。

イブラヒモビッチが「意味のないものだ。まだ半分」と述べていた通り、“冬の王者”はあくまで折り返し地点で首位に立っているだけで、価値は全くない。はたして、ミランは後半戦もこのまま首位を守り抜き、10年ぶりのスクデットを獲得することができるのか。

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