先日行われたチャンピオンズリーグGL第4節にて、レアル・マドリード相手に0-2で敗戦を喫したインテル。「もうコンテは限界」。この敗戦を受けて、SNS上ではファンから指揮官に対するこういった辛辣な意見も散見された。しかし、インテルは今後リーグ戦の戦いぶりによって、そんな周囲の雑音を振り払うことができるか。ネッラズーリに持ち前の堅実な守備が戻り始めた。
現地時間28日に行われたセリエA第9節にて、今季好調のサッスオーロと対戦した同クラブ。この一戦、MFジェレミー・ボガやFWドメニコ・ベラルディといったリーグ屈指の実力者を擁する相手に、インテルが苦戦するかもしれないと考えていた人は少なくなかったことだろう。伊『Gazzetta dello Sport』も試合開始前には「今のインテルがサッスオーロに勝てるかどうかはわからない」との予想を展開。直前のレアル戦で頼りない姿を見せてしまった彼らへの期待値は低かったと言っていい。
しかし、ネッラズーリの戦士たちはそんな予想に反して躍動。この試合前まで2位につけていたサッスオーロ相手に、彼らは3-0と完勝を収めることに成功している。その大きな要因となったのが、守備強度の高さだ。今季なかなかクリーンシートを達成することができていなかったインテルだが、この試合では90分を通してチーム全体にディフェンス意識の高さが見て取れた。特に素早く相手のビルドアップを阻害するコース切りと、プレスの強度はピカイチ。組織的な守備が機能し、ネッラズーリは今季2度目の完封勝利を収めることに成功した。
「今季はリーグトップの得点数を記録する一方で失点がかさんでいたインテルだが、彼らの守備にはサッスオーロ戦で改善が見られた。良い攻撃が良い守備を生むとは限らないが、良い守備というのは良い攻撃も生むものだ。スクデットを狙うにあたり、最も必要としていたものをインテルは取り戻しつつある」
伊『calciomercato』も、このサッスオーロ戦におけるインテルの守備にはこのように賛辞を送っている。なお、この試合におけるインテルのボール保持率は34%。相手にボールを持たせて、奪った瞬間に素早くフィニッシュへ繋げる。このデータからも、選手たちが徹底してこの意識を持っていたことは窺い知ることができるだろう。堅守な守備を取り戻し、リーグ戦で再出発を図るインテル。今季はACミランの好調が話題となっているセリエAだが、その後ろにはピタリと同じミラノに居を構えるライバルが張り付いている。