これも有能アタッカーの宿命なのか “被ファウル数”増えるザハの嘆き

優秀であるがゆえに、相手から厳しいタックルを受けることも多いザハ(右) photo/Getty Images

「足の爪は黒く……」

優秀なアタッカーの被ファウル数が増えるのは、サッカー界によくあることだ。普通に対応していても止められない選手と相対したとき、相手DFはその進撃をファウルで阻止するしかない。アタッカーからしてみれば、ファウルを受ける回数が多いほど相手選手から警戒されていると考えてもいいだろう。被ファウル数の多さはその才能が認められた証と言える。

クリスタル・パレスに所属するコートジボワール代表FWウィルフリード・ザハも、そんなアタッカーの一人だ。同選手は2014-15シーズン以降、プレミアリーグで最もファウルを受けた回数の多いプレイヤー。自慢のスピードで相手を置き去りにすることも多く、そんな状況となった際に相手としてはファウルを犯すしかザハの進撃を阻止する手立てがないのだろう。今季も彼はここまでリーグで3番目に多い被ファウル数「24」を記録している。ザハはプレミアでプレイするDFが最も警戒するアタッカーのうちの一人。このデータから、同選手をそう捉えることもできるはずだ。

とはいえ、被ファウルが増えることを手放しで喜ぶことはできない。ときには悪質なタックルをお見舞いされることもあるはずで、常に怪我のリスクは付き纏う。そんなギリギリの戦いを繰り返すなかで、現在コートジボワール代表FWの足は悲鳴を上げる一歩手前の段階まで来ているようだ。自身のプレイスタイルが相手のファウルを誘いやすいことを理解しつつも、ザハは英『The Athletic』へ次のように語っている。
「周りの人は被ファウル数が多いことを名誉に思うべきだと言ってくれる。だけどその代償として、僕の足の爪は黒くなってしまっているよ。もう元には戻らないだろうね。恨みはないけれど、痛いのは間違いない。僕のプレイスタイルがタックルを受けやすいというのは確かにある。今後変えるつもりもないから、どうしようもないことなんだけどね」

相手も必死にプレイしているのだから仕方がないと、プロフェッショナルな姿勢を見せたザハ。しかし、このペースでファウルを受けていては今後どこかで限界が来る可能性は高い。素晴らしい才能を備えた選手だけに、怪我でキャリアを棒に振ることだけはしてほしくないが……。

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