名手・中村憲剛がピッチを去る 川崎一筋“18年”のバンディエラがキャリアに幕

川崎一筋で18年プレイしてきた中村 photo/Getty Images

「フロンターレのサポーターは日本一」

“川崎のバンディエラ”がピッチを去る。1日、川崎フロンターレは公式YouTubeチャンネルにてオンライン会見を開き、その中で元日本代表MF中村憲剛が今季限りで現役を引退することを発表した。

31日に行われたJ1第25節のFC東京戦では、40歳の誕生日を自ら祝うバースデーゴールを決めていた中村。この試合で後半32分までプレイした同選手のシュート数はチーム最多タイの5本と、まだまだやれる姿を見せていただけにこの発表は驚きだったと言えるだろう。川崎を引っ張り続けた男の突然の引退宣言。しかし、バンディエラの表情に曇りはなかった。

「(初めて現役を引退することをファンに伝えることができて、)正直ホッとしているし、いつかはこの言葉を言う日が来るんだろうなと思っていました。自分の中でも、溜め込んでいたものを皆さんにお伝えすることができてスッキリしたという気持ちです。最終的に引退を判断したのは35歳を過ぎたとき。もともと30歳を過ぎた頃に、選手としての終わり方を漠然と考えていました。そのときは35歳まで頑張ろうと思っていたのですが、風間さんが来て自分自身のサッカー観が変わった。チームも自分も伸びていたので、35歳で辞めるという発想はなくなりましたね。そこで35歳の誕生日を迎えた時に、妻と『次は40歳まで』と決めました。それを決めてから36歳でJリーグのMVPをいただいて、37歳で初優勝、その次の年は連覇して、去年はルヴァンカップを獲りました。まるでそれまでの苦労が嘘のようにタイトルが手に入ってきましたね」

「ですが、自分の中での終着点が見えてきたところで、リミットを決めていた段階で去年膝の前十字靭帯を切ってしまった。そうなれば、あとはもう『なんとしてでも復帰して、プレイする姿を皆さんに見せてから引退するんだ』という気持ちでした。39歳で靭帯を切って復帰するというのは前例のないものでしたが、自分の中で今シーズン限りということは決めていた。ですので、1日でも早く戻りたいという気持ちが強くなりました。そして無事戻って来ることができて、40歳の誕生日に自分がゴールを決めて勝った。これには言葉にならないようなパワーを感じました。自分が引退するんだという気持ちがあったからこそ、この結果を引き寄せることができたと思っています。もちろん、それはチームメイトやスタッフといった多くの人のサポートもあったからこそですが」

会見に出席した中村は、引退を決めたタイミングなどについてこのように語っている。まだ今季の試合は残されているが、彼は最も自分が活躍できたと感じた瞬間に引退を発表する決心がついたようだ。そして、その誕生日弾やサポーターへの感謝について中村は次のように続けた。

「(多摩川クラシコでの誕生日弾は)誰かが何かを操作しているんじゃないかと思うくらいの出来事でしたね。自分でもビックリしています。この年齢でこんなことが起きるのかと思いました。等々力には神様がいるんだと感じざるを得ない経験でした。サポーターの存在なしでは今の僕は100%いないと断言できます。そう言えるほどにサポーターには後押しをし続けてもらいました。ずっと支えられっぱなしだったので。本当にフロンターレのサポーターは日本一だと思っていますし、初優勝をプレゼントできたときのことは鮮明に覚えています。感謝しかありません」

川崎一筋“18年”。2003年のデビューから止まることなく走り続けてきた中村憲剛。はたして、残りの試合でこのバンディエラはあとどれほど輝くことができるのか。現在川崎は独走体制を築いているだけに、このままの勢いでJ1優勝を勝ち取りレジェンドへのはなむけとしたいところだ。

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