リヴァプールの守護神は決して声を荒げない アリソンが味方に怒鳴らない理由

リヴァプールのゴールマウスを守るアリソン photo/Getty Images

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「それが僕のやり方」

試合中、味方DFが自身の求めるように動かない。どうにも修正したい部分が多い。そんな時、思わず彼らを萎縮させてしまうほど大きな声で自身の要求を伝えるGKも少なくはないだろう。

実際、昨今の観客数制限試合において選手の声がよく聞こえるようになり、中継のマイクが彼らの怒号を拾うこともしばしば。時には鬼の形相で味方に指示を出すGKもおり、目の前の試合に懸ける彼らの情熱が伝わってくる。

しかし、リヴァプールに所属するブラジル代表GKアリソン・ベッカーは決して味方に怒鳴らない。たとえどんな状況であっても、試合中の彼は仲間へ大声で自分の意見を押し付けることはないのだという。その理由について、アリソンは英『Daily Mail』のインタビューで次のように語っている。
「それが僕のやり方なんだ。誰かに怒鳴るのは個人的に好きじゃない。もちろん、怒鳴られるのもね。もし誰かがミスを犯したとしても、その選手は自分でマズいことをしてしまったと自覚しているはずだ。僕だってミスを犯すことはある。何かを改善するためには、大きな声で叱責する以外にも方法があるんだ」

「だから僕はフィルジル(・ファン・ダイク)やジョー・ゴメス、ロボ(アンドリュー・ロバートソン)といった選手には決して怒鳴らない。そうする必要がないんだ。僕たちは常に快適に弱点を改善する方法を話し合っている。誰かが間違いを犯した時に、名指しで責め立てる必要はないんだ。別の方法があると信じている。もっと良い方法で、僕たちは解決策を見つけることができるんだ」

明らかなミスを犯した人間が、その後反省していないわけがない。自分で理解していることを他人に責められれば、誰でもイラつくことは間違いない。その後のパフォーマンスに影響しかねないだけに、アリソンは決して味方を怒鳴らないと決めているようだ。

感情に任せた怒号よりも、冷静な解決策を見出すことが優先。言うのは簡単だが、これはなかなかできないことだろう。しかし、試合中にどれだけアドレナリンが出ている状況でも、それを意識し実行できているアリソン。こうした守護神の気遣いも、昨季リヴァプールがプレミア最少失点を記録できた理由の一つかもしれない。

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