開幕を目前に控えた2020-21シーズン、中堅クラブがプレミアリーグを荒らすこととなるか。昨季リーグ戦を7位で終えたウォルバーハンプトンの前線に才能豊かなヤングタレントが加わった。
そのヤングタレントとは、先日ポルトからの完全移籍による獲得が発表されたU-19ポルトガル代表FWファビオ・シウバだ。現在18歳の同選手はポルトガル代表の未来を担うとされる若手の一人で、昨季はポルトの最年少ゴール記録を更新している。シーズンを通しての成績は公式戦24試合に出場して3ゴール2アシスト。数字で見ればそこまで目立ってはいないものの、18歳という年齢を考えれば十分すぎる成績と言えるだろう。冬の段階ではレアル・マドリードやバルセロナ、ユヴェントスといった欧州屈指の強豪も狙っていたとされる逸材だ。
そんな才能ある若手の一本釣りに成功したウォルバーハンプトン。まだ18歳の選手に移籍金3500万ポンド(約48億円)を投じる決断はそれなりの勇気を伴ったかもしれないが、F・シウバはその金額に見合うポテンシャルの持ち主と言えるだろう。身長185cmのサイズを活かしたフィジカルの強さ、水準以上のスピードとボールテクニック、随所で見せるインテリジェンス……。磨けば光る原石であることは間違いない。一部では、彼のことを“ポルトガルの至宝”なんて呼ぶ人さえいるほどだ。
そんな中、このF・シウバ獲得にはクラブOBも大興奮の様子だ。かつてウォルバーハンプトンで10年以上にわたってプレイしたスティーブ・ブル氏は、愛する古巣に加入した欧州きってのヤングスターについて次のように語っている。英『Daily Mirror』が伝えた。
「シウバの加入はエキサイティングだよ。彼のプレイ動画をいくつか見たが、その動きはとてもシャープだった。3500万ポンドという移籍金は非常に高額だけど、その評価に報いるためにも彼はきちんと仕事をこなさねばならないね。まずはラウールと一緒にプレイする方法を学ぶため、シウバは多くの時間を費やすことになるだろう。2人が一緒に出場すれば、相手守備陣も本当に恐れるチームが完成するはずだ。今後ウルブズにエキサイティングな時間が訪れることを私は確信しているよ」
ディオゴ・ジョタ、アダマ・トラオレ、そしてラウール・ヒメネスらといった優秀な人材が多いウルブズの前線に、新たに加わることとなったポルトガルの新星。はたして来季、その中でF・シウバはどれほど自分の色を強く主張することができるのだろうか。同じ“万能タイプ”のセンターフォワードであるヒメネスとのコンビネーションには、特に注目したいところだ。
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