今季イングランド・プレミアリーグではリヴァプールが優れた3トップを擁してタイトルを勝ち取ったが、その中でも前線のリンクマンとして多大な貢献を果たしたのが先ターフォワードを務めるロベルト・フィルミーノだ。
自らゴールを量産するイメージこそないが、モハメド・サラーとサディオ・マネのサポート役として前線の潤滑油となったフィルミーノ。各方面から絶賛の声は止まず、リーグ戦9ゴールという結果でも“最高のCF”と評価する人さえいる。
しかし、長年フィルミーノと同じような役割を果たしつつも、なかなかその働きを評価されなかった選手がいる。レアル・マドリードに所属するFWカリム・ベンゼマだ。レアルというスター軍団の中で抜群の貢献度を誇りながらも、少し地味なばかりに目立たなかった同選手。近年ようやくその役割が評価されるようになったが、今でも彼の成し遂げていることに対しての称賛が少ない印象は否めない。
そんなレアルの“評価されづらい男”に改めて脚光をと、米『NewYork Times』は主張する。同メディアはフィルミーノのタスクを何年もこなしていた上に、ここ数年は得点力さえも身に付けたベンゼマについて次のように綴っている。
「ベンゼマが近頃まで集中的に称賛されなかったのは奇妙な話だ。彼はレアルのために10年以上も働き続けているというのに。彼はクラブにおいて史上5番目に多くの得点を奪っている。これ以上何も証明する必要はなかったはずだ。だが、世界最高の9番を決めるとなれば常に他の候補の名が叫ばれ続けてきた」
「それは彼のスタイルが非常に評価されにくいものだったからに違いない。人々はスペースの創出や味方にチャンスを提供する彼の動きを話題にすることはなかった。近年はリヴァプールのロベルト・フィルミーノも評価されているが、ベンゼマはそれに加えてきちんと得点も決めている。なのに、なぜ彼は評価されなかったのだろうか? やはりサッカー選手の評価というのは、見る者の第一印象によって大きく左右されるのかもしれない」
決してフィルミーノを貶めているわけではないが、以前からずっと味方を活かす動きを繰り返していたベンゼマがなぜもっと注目されなかったと『NewYork Times』は困惑している様子だ。レアルのために何年も縁の下の力持ちとして働き続けてきた“万能FW”。今季リーグ戦でリオネル・メッシに次ぐ得点ランク2位に入った実力者に、今後はもっと称賛の言葉が送られることを願うばかりだ。
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