[MIXゾーン]多摩川クラシコ先制点の大島「自分たちの持ち味、強さが出た試合」

強烈なミドルで先制点をマークした大島(中央) photo/Getty Images

新布陣を構築中の川崎が結果&内容でFC東京を圧倒

8日、味の素スタジアムでFC東京×川崎の「多摩川クラシコ」が行なわれ、敵地に乗り込んだ川崎が4点を奪って快勝した。試合が動いたのは17分で、登里享平がニアサイドにポジションを取るレアンドロ・ダミアンにスローインを送る。背後から厳しくマークされるなかレアンドロ・ダミアンがこのボールをキープし、後方にていねいに落とす。走り込んだ大島僚太が正確なボールコントロールから強烈な右足ミドルシュートを放つと、左ゴールポストに当たって先制点となった。

「ダミアンがDFを背負う姿をみて、(中央に)入っていった。良い落としがきたので、そのまま打とうと思った」

川崎がこの1点で自分たちのリズムを掴んだのに対して、FC東京には「先制点が大きかった」(東慶悟)、「試合の入りはそんなに悪くなかったが、1点取られて気落ちした」(長谷川健太監督)という流れに。さらに、23分にレアンドロ・ダミアンが追加点を奪ったことで「2点目で精神的に難しい試合になった」(東慶悟)という展開に。結果、前半のうちに川崎がさらに2点を追加し、4-0として45分間でほぼ勝利を確定させた。
今シーズンの川崎は新たな試みとして[4-3-3]を採用し、中盤に3人のボランチを起用している。アンカーに田中碧、インサイドハーフに大島僚太、脇坂泰斗という布陣で、試合中は戦況に応じて自由にポジションチェンジが行なわれる。必然、この変更によって大島僚太がボールを持つ位置が高くなっており、この日の先制点のようなシーンを目にする機会がこれから増えることが予想される。ただ、大島僚太は先制点について、決してポジションが変わったから生まれたゴールではないと語っている。

「(先制点が)ポジションが変わったからかといえば、そうでもない。ただ、前にいる選手により絡むことができると思う。前でプレイする選手との連携は、ダミアンに限らず練習からコミュニケーションを取っている。前の選手たちが気持ちよく攻めることができるように心掛けていて、いまはお互いによい関係ができているので続けていきたい」

後方からのサポートを受け、前でプレイするレアンドロ・ダミアンはこの日4得点すべてに絡んだ。また、左サイドでプレイする長谷川竜也も絶妙なタイミングでシュートチャンスに顔を出し、2得点した。前節の鹿島戦でも得点している長谷川竜也は、これで早くも3得点となった。

「(4-3-3で)左右の幅を使うことで、自分たちの武器である中央も使える。フロンターレの持ち味、強さが出た試合だった」

昨シーズンの川崎は引分けが多く、3連覇を逃している。対戦相手が守備的な戦術を選択してくるなか、いかに得点力アップを図るか。状況を打開するべく取り組んでいるのが[4-3-3]で、多摩川クラシコでいかんなく効果が発揮された。良い結果が出たし、内容も良かった。今後に向けた参考になりそうな一戦で、川崎にとっては大きな1勝、勝点3になったかもしれない。

取材・文/飯塚健司


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