[MIXゾーン]槙野智章が求める浦和の“変化” 「悪いところがモロに出てしまったシーズン」

最終節G大阪戦にフル出場した槙野 photo/Getty Images

「今残っている選手を考えれば……」

7日、浦和レッズは明治安田生命J1リーグ第34節でガンバ大阪と対戦した。今季振るわなかった浦和。それだけに、最後はなんとかファンに勝利を届けたいところだった。

しかし、そんな浦和の思いとは裏腹に試合は常に先行を許す苦しい展開。9分、G大阪の鮮やかなロングカウンターに為す術なく、彼らはFW宇佐美貴史に早速先制ゴールを決められてしまう。後半に入り、浦和は62分にMF柏木陽介が直接FKを蹴り込んで同点に追いつくも、2分後の64分に再び失点。さらに終盤の88分には、MF福田湧矢にダメ押しとなるJ1初ゴールも献上することに。その後はFWファブリシオのゴールによって再び1点差としたが、時すでに遅し。結果は2-3の敗戦。浦和は2019年シーズン最後の試合を黒星で終えることとなってしまった。

最終順位は14位。浦和が二桁順位に終わったのは、実に8年ぶりだ。この低迷にはファンも怒り心頭。試合後、立花洋一代表が挨拶のためにピッチへ立つと、赤く染まったスタンドからは容赦ないブーイングが浴びせられた。最後まで調子が上がらなかった浦和の2019年シーズン。MIXゾーンに姿を現したDF槙野智章は次のように振り返っている。
「簡単なシーズンじゃなかったなっていうのはありますし、リーグに関しては最初から最後までエンジンかからなかったと思います。なんとか軌道修正はしたものの、それが長続きしなかった。悪いところがモロに出てしまったシーズンでした。ただ、こういうシーズンがあってもいいのかなとも思います。こういうシーズンを送ったことで選手もチームも気づくことがたくさんあります。全体で来季チームをどう変化させるかというのは話し合わないといけないですね。やっぱり大きな変化がない限り、チームは変わらないと思います。目標がチャンピオンであったり、タイトルということを考えるならそれが必要です」

今季を「悪いところがモロに出てしまったシーズン」としたが、槙野はこの低迷をチームが変わるチャンスとも捉えているようだ。しかし、この成績が当初望んでいたものでないことは明らか。それに関して、槙野はチームが思わぬ方向に“変化”していってしまった時期についても述べている。

「ミシャ(ミハイロ・ペトロビッチ氏)の時はカタチもありましたし、その中で選手補強をしていました。選手もその戦術の下、輝けるやり方があった。でも、“ミシャサッカー”が終わった後で僕らがしたのは全く別のサッカーでした。“ミシャサッカー”の選手が残っている中で、180度違うサッカーをしたんです。それでもACLや天皇杯では優勝もしたので、これは良かったところであり悪かったところでもあるんですけどね」

「今残っている選手を考えれば、僕らは間違いなくリアクションサッカーよりもアクション(サッカー)の方がみんな良さが出る。ちょっと、リアクションサッカーっていうのは難しいかなと思います。やらなきゃいけないこと、修正しなければいけないことは山ほどあります。これを開幕までに直さなければ、また同じ過ちを犯してしまうと思いますね」

ミハイロ・ペトロビッチ氏が2017年途中に退任して以降、徐々にそのスタイルをリアクション志向に変化させていった浦和。なかなか結果が出なかった中で、自分たちのスタイルを貫き続けることは難しい。それだけに、これは仕方のないこととも言える。しかし、槙野は当時チームがリアクションサッカーへ舵を切ったことに危機感を抱いていたようだ。

槙野がチームに求めた“変化”。はたして、来季の浦和はどんなサッカーを披露するチームになるのだろうか。2019年シーズンは終了したが、このDFはすでに来季を見据えている。

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