セットプレイは攻撃側のチームにとってまたとない得点のチャンスだ。相手に邪魔されることなくシュートやクロスを蹴ることができ、得点の可能性は広がる。その代表例としてフリーキックが挙げられるが、相手選手も自陣ペナルティエリア近くではファウルに細心の注意を払ってプレイするだけに、直接狙える位置でこれを獲得する機会は滅多にない。試合中でも絶好の位置で得られるのは1度や2度といったところだろう。
それに引き換え、コーナーキックは比較的簡単に獲得できるセットプレイだ。コーナーフラッグ付近で攻撃に手詰まりが生じた場合には、一旦相手に当てて仕切り直すというシーンもよく見られる。最もコストパフォーマンスの高いセットプレイと言っても過言ではないはず。では、今季の欧州5大リーグでそのコーナーキックをもっとも有効活用しているクラブはどこか。
それはセリエAのローマだ。伊『calciomercato』によると、同クラブは今季コーナーキックからすでに7点を奪っており、欧州5大リーグで最高値を記録しているという。現地時間24日に行われたリーグ戦第13節のブレシア戦でもこのプレイから2点を奪って3-0の勝利を収めたローマ。今季ここまでのリーグ戦総得点は「23」と、約3分の1がコーナーキックから生まれたものというのだから驚きだ。
かねてより空中戦に強い選手を多くスタメンに入れて試合に臨むことが多かったローマ。今季もチームにはFWエディン・ジェコ、MFニコロ・ザニーロ、DFクリス・スモーリング、DFジャンルカ・マンチーニなど長身の選手が揃っている。さらにキッカーを務めるのは、DFアレクサンダル・コラロフやMFロレンツォ・ペッレグリーニといった利き足の精度が非常に高い選手。こうして考えてみると、コーナキックからの得点数が多いのは当然とも言えるか。
ローマは現在セリエAで5位につけている。はたして、彼らはこの強みを生かして昨季逃したチャンピオンズリーグ出場権を獲得することができるのか。永遠の都で結成された強力な空中部隊に注目だ。
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