たった2試合でバイエルン変えた“超万能型FW” ゴールなくてもレジェンド

バイエルンのミュラー photo/Getty Images

監督交代とともに重要度増す

2日のフランクフルト戦で1-5の大敗を喫したバイエルンは、指揮官ニコ・コバチの解任を決断。暫定指揮官としてハンジ・フリックにチームを託すことになった。

そこからバイエルンはチャンピオンズリーグ・グループステージでオリンピアコスを2-0、リーグ戦でライバルのドルトムントを4-0と一蹴し、2試合ながらフリックの評価は急上昇。

フリック就任から1番大きく変わったのは、ベテランFWトーマス・ミュラーの存在感だろう。ミュラーはコバチの下でプレイタイムがなかなか伸びなかったが、フリックはオリンピアコス戦とドルトムント戦の両方でミュラーをフル出場させている。
フリックは2006年から2014年までドイツ代表のディレクター職を務めてきた人物で、代表トップクラスの点取り屋だったミュラーの実力をしっかりと理解している。バイエルン立て直しにはミュラーが欠かせないと判断したのだろう。

何よりミュラーはアタッカーながら運動量も豊富で、ドルトムント戦では自陣深くまで戻って守備をする献身的な一面を見せていた。長年の相棒だったロベルト・レヴァンドフスキとの相性も良く、レヴァンドフスキの背後にミュラーを配するやり方は正しかったと言えよう。

ブンデスリーガ公式によるとミュラーも自身の役割を理解しているようで、以前のようなゴールゲッターではなくなったと自分のことを表現している。ただ、バイエルンが勝つために全力を尽くすとの思いは変わっていない。

「僕はもうゴールスコアラーではないかもしれない。ゴールも狙っているけど、ボックス内へ侵入するのか、ボックスの前で相手のカウンターアタックに備えてゾーンを埋めるのかの判断になった時、時に後者の守備的なアクションを選ぶことがある。ゲームに勝とうとしているし、チームのために重要な存在になろうとしている。自分がトップスコアラーかどうかは重要ではないんだよ」

ドイツ王者バイエルンの重みを理解し、チームのために献身的に走ってくれるミュラーの存在は大きい。ピッチ内の混乱を治めるためには欠かせないリーダーの1人であり、僅か2試合でフリック体制の最重要人物となっている。一時は退団の噂も挙がっていたが、この2試合でミュラーの重要性に改めて気付いたサポーターも多いはずだ。

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