自身が苦しい時でもチームのために戦う。闘将シニシャ・ミハイロビッチのサッカーに対する情熱の炎が消えることはないのだろう。
2006年に現役を引退し、これまでフィオレンティーナやサンプドリア、ミランなど数々のクラブを率いてきたミハイロビッチ監督。今年1月からはボローニャの指揮を任されると、降格圏内と不振に陥っていたチームを見事に立て直して見せる。昨季のラスト12試合で8勝2分2敗という好成績を収めており、最終的には18位から10位まで順位を押し上げて残留へ導いていた。この結果、クラブは6月に指揮官との契約を延長。ミハイロビッチ体制2年目となる2019-20シーズンの飛躍が期待された。
しかし、この直後に闘将に悲劇が襲う。ミハイロビッチ監督は7月に白血病を患ったことを公表。当面の間、チームを離れて治療に専念することとなった。今季開幕までに復帰するのは厳しいという見方もあったが、25日に行われた開幕戦のベンチにはやせ細ったものの、目をギラつかせるミハイロビッチ監督の姿が。まだまだ治療中ではあるが、6週間の化学療法の受け、チームに帰ってきたのだ。これにはボローニャの選手たちも驚きをあらわにしている。
試合後、伊『sky sport』のインタビューに応じたリッカルド・オルソリーニは、ミハイロビッチ監督について「今週、僕らは彼とビデオ通話をし、彼はその時に100パーセントではないと言っていた。彼は1ヶ月前にもこのゲームのベンチに座りたいと思っていると言っていたが、本当に実現するとは思わなかったよ。彼がこのサプライズを起こしてくれて、僕たちにさらなる力を与えてくれた。とても嬉しかったね」と明かした。
だからこそ、ヴェローナを相手に勝利で終わりたかったが、結果は1-1のドロー。この試合でフル出場を果たしていたオルソリーニは「彼に勝利を送ることができなかったのが、本当に申し訳ないと思っている」と悔しさを口にした。ただ「僕は監督と特別な関係を持っていている。彼は僕を信頼してくれていて、チームにとって重要な選手であるかのように感じさせてくれる。僕らにとって彼は明らかにじゅううような存在だ。彼は体重を失ってしまったが、度胸や決意、情熱はいつもと一緒だったよ」とも話しており、やはりチームにとって指揮官の存在は大きかったようだ。
ボローニャは次節、30日にSPALをホームへ迎え入れる予定となっている。病気と必死に戦う指揮官のためにも、この試合で勝利をプレゼントすることができるのか。
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