[粕谷秀樹]ニューカッスルLOVEがまったく感じられない…… オーナーは一刻も早く出ていきやがれっ!!

粕谷秀樹のメッタ斬り 015

粕谷秀樹のメッタ斬り 015

ニューカッスルを試合をスタンドから見つめるアシュリー・オーナー photo/Getty Images

アシュリー・オーナーは身を引くべきだ

肉を切らせて骨を断つ──。サー・ボビー・ロブソン(故人)が率いていた当時のニューカッスルはカッコよかった。守り切ることをよしとしない監督のもと、リードして迎えた後半の追加タイムでもゴールを奪おうとするチームだった。4-5で負けても、「そりゃ3ポイントは欲しかったけれど、両チーム合わせて9点も入ったんだよ。お客さまにはさぞかし喜んでいただけたんじゃないか」と、笑顔で話していたっけ。いやぁ、凄いお人でしたサー・ボビー。

しかし、いまはどうよ!? マイク・アシュリーってオーナーはどうなのよ!? だれも楽しませていない。楽しませていないどころか、不安を通り越して怒りの対象になってるじゃん。買収の話を何度も何度も断り、新しい選手ではなくデパートを買っちゃった。ニューカッスルLOVEがまったく感じられないでしょ。地元サポーターの感情が、「一刻も早く出ていきやがれっ!!」で一致しているのは当然だな。アシュリーが本拠セントジェームズ・パークに姿を見せると、痛烈なブーイングが突き刺さる。それでも彼は平然と、むしろニヤニヤしているんだよなぁ。始末に負えない。心臓に毛が生えているのかもね。

ファンはオーナーの交代を願う?「ASHLEY OUT」の写真を作成するほどだ photo/Getty Images

シェイク・ハレドが手を引いた?

さて、アシュリーはこの夏も同じような過ちを犯そうとしている。6月中にまとまるといわれていた買収が、暗礁に乗り上げてしまった。ニューカッスルに興味を持っているのはシェイク・ハレド・ザイード・アル・ナハヤン。マンチェスター・シティを牛耳るシェイク・マンスール・ザイード・アル・ナハヤンの従兄弟だ。カネ、持ってんど。しかし、交渉は進んでいない。アシュリーが翻意したのか、シェイク・ハレドがカネを出し渋っているのか……。いや、シェイク・ハレドは3億5000万ポンド(約490億円)を提示しているはずだから、十分な金額だよね。ちょっとちょうだい。

やっぱり、アシュリーが難クセをつけているんじゃないかな。この人、交渉の途中で受け入れがたい条件を付け加えたり、土壇場で「やっぱり止~めた」と放り出したりしたケースが何度もあるので、あまり信用されていないんだ。皆さんの周りにいるでしょ。ドタキャンする人や、嘘ばかりつく人……。約束を守れない人間は、いつかキッツーイしっぺ返しに会う。アシュリーもそろそろ覚悟した方がいいと思うけどね。

そういえば、6月末にラファエル・ベニテスとの契約を解除したときも、本人に知らせる前にクラブの公式サイトで明らかにしている。あまりにも無礼だ。新監督が大物ではなく、スティーブ・ブルースに決まったということは、シェイク・ハレドが手を引いたんじゃないかと疑いたくなる。490億円も出して買収するわけだから、メディアとサポーターが胸躍る人選をするはずでしょ、普通は。

結局、またまたまたアシュリー体制? うまくいかないな、今シーズンも……。

文/粕谷秀樹

スポーツジャーナリスト。特にプレミアリーグ関連情報には精通している。試合中継やテレビ番組での解説者としてもお馴染みで、独特の視点で繰り出される選手、チームへの評価と切れ味鋭い意見は特筆ものである。

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