神戸の”2人の王様”は走らない ポドルスキ&イニエスタの代わりに走りまくるのは?

王様ポドルスキとイニエスタ photo/Getty Images

バランスを保つべく走り続ける

ヴィッセル神戸のサポーターは夢でも見ているような気分だろう。ルーカス・ポドルスキのパスを受けたアンドレス・イニエスタが2試合連続で華麗なシュートを突き刺すなど、ワールドクラスの2人の共演を神戸の地で見ることができるなど想像すらしていなかったはずだ。しかし、スター2人の陰でチームのバランスを保とうと懸命に動いている選手の存在も忘れてはならない。

ポドルスキとイニエスタはボールこそ持てば違いを生み出すが、運動量が多くない。特にポドルスキは攻撃から守備への切り替えが極めて遅く、守備に全力で戻ることがほとんどない。顕著だったのはイニエスタのスーパーゴールで1‐1と引き分けた第22節のサンフレッチェ広島戦だ。

この試合でポドルスキは右サイドの高い位置に張ることもあれば、右のインサイドハーフの下がった位置からゲームメイクに徹することもあるなど自由にポジションを変えていた。このポジションチェンジで欠かせないのが高卒ルーキー郷家友太の存在だ。郷家はポドルスキが右サイドの高い位置に張った時はポジションを下げてインサイドハーフに入り、逆にポドルスキが中盤に下がった時は追い越して右サイドの高い位置に出ていた。このポジションチェンジそのものに問題があるわけではないが、とにかくポドルスキが守備に走らない。ポドルスキの代わりに郷家が守備に走らなくてはならないのだ。特徴的だったのは広島戦の前半8分のプレイだ。

神戸の左サイドでイニエスタが珍しくボールロストし、広島にカウンターを仕掛けられた。広島はそのままサイドを突破し、最後は逆サイドに張っていた柏にサイドチェンジのボールを送った。この時ポドルスキはセンターサークル付近、郷家が右のウイングの位置にいたのだが、ポドルスキは守備に戻ろうとしなかった。その代わりにポドルスキよりも相手ゴールに近い位置にいた郷家が全力で戻ったのだ。これは本来許されないプレイだ。

郷家だけではない。左のウイングの位置で先発した古橋亨梧もイニエスタの守備負担を軽減すべく懸命に走っていた。本来はウイングの位置にいるが、ボールを失った際には古橋が下がってイニエスタより低い位置に入るシーンも多く見られた。郷家も同様の形で動き、中盤を郷家、古橋、アンカーの藤田直之の3枚でカバーするのだ。見た目としては、最前線のウェリントン、その背後にポドルスキとイニエスタと、外国人部隊が前線に留まる構図となる。

後半はイニエスタとポドルスキの守備意識にも変化が見られたが、それでも守備に熱心になったわけではない。守備意識の低さは走行距離にも表れていて、89分まで出場したポドルスキは7.7kmしか走っていない。85分で交代した郷家が10.3㎞走っていたにも関わらずだ。この3㎞の差はかなり大きい。

組織力が重視される現代サッカーにおいて、王様タイプの選手は嫌われる傾向にある。王様タイプが1人いるだけでも大変なことなのだが、今の神戸には2人も王様がいるわけだ。その中でバランスを取っていくには他のフィールドプレイヤー8名が懸命に走るしかない。前節のジュビロ磐田戦から2試合続けてポドルスキとイニエスタのホットラインが繋がってゴールが生まれたのは良いが、バランスで見ると神戸には不安定な部分がある。本来ならJリーグで見ることができないような超がつくスーパースター2人にどう気持ちよくプレイしてもらうのか。郷家ら王様を支える選手たちは懸命に走り続けている。
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