[水沼貴史の欧蹴爛漫007]日本代表はハメス・ロドリゲスをこう止めろ!

最大の武器は「視野の広さ」からくる多彩なパス

最大の武器は「視野の広さ」からくる多彩なパス

ブラジルW杯でも躍動したJ・ロドリゲス photo/Getty Images

水沼貴史です。今週もロシアW杯に出場するであろう選手のなかから、日本代表が特に警戒すべき選手についてお話しします。今回取り上げるのは、日本代表がグループステージ初戦で対戦するコロンビア代表のMFハメス・ロドリゲス(バイエルン・ミュンヘン)です。ブラジルW杯のグループステージでも日本代表と対戦し、先月31日に行われたブンデスリーガ第28節(ドルトムント戦)で1得点2アシストと絶好調の彼ですが、彼の怖さや日本代表が講じるべき対策についてご説明しましょう。

ハメスの怖さとはなんだと思いますか? 私は彼の最大の特長として、「視野の広さ」を挙げたいと思います。自分がボールを運んで相手選手を複数引きつけている時でも、相手の最終ラインと駆け引きをしている味方選手の動きをまず見逃しません。また、自分の周りで味方がどのように動き、どの味方選手がトップスピードに乗っているかを常に念頭に置きながらプレイしているので、パスを出すタイミングを間違えないというところが彼の凄みです。また、アイデアの豊富さも目を見張るものがあります。グラウンダーのボールで通せるパスコースを全て封じられても、彼は左足首を巧みに使ってボールをすくい上げ、相手DFが予期していない長短のパスを繰り出します。逆サイドを走っている味方(サイドハーフやサイドバック)の動きもきちんと把握できていますから、相手としては彼を一瞬たりともフリーにしたり、一瞬でも考える時間を与えないことが重要になってきます。

徹底したゾーンディフェンスが求められる日本代表 鍵を握るマークの受け渡し

徹底したゾーンディフェンスが求められる日本代表 鍵を握るマークの受け渡し

ハリルホジッチ日本代表監督の“ハメス対策”は如何に photo/Getty Images

バイエルン・ミュンヘンでは主に[4-3-3]、もしくは[4-1-4-1]の布陣のインサイドMFとしてプレイしている彼ですが、コロンビア代表では[4-4-2]の布陣の左サイドハーフとして出場する機会が増えています。彼がどちらのポジションで起用されるかは不透明ですが、サイドハーフとして出場している試合でもカットインしてくるケースが多いので、日本代表としてはこの際のマークの受け渡しを明確にしておきたいところです。対面のサイドバックがマンツーマン気味に彼に付いていくという方法もありますが、彼が中央に切り込んだ場合は、サイドが空いてしまいます。空いたスペースをコロンビアの他の選手に使われ、ラダメル・ファルカオ(モナコ)などの屈強なFWにクロスボールがわたるという事態は避けなければなりません。

日本代表としてはコンパクトなゾーンディフェンスを敷き、サイドではサイドハーフとサイドバックで彼を挟み撃ちにすること、彼がカットインした際はマークをボランチに受け渡し、ボランチとセンターバックで彼を囲むことが重要になってくると思います。この際、センターバックが彼に食いつきすぎると最終ラインの背後のスペースをコロンビアの他の選手に使われてしまうので、極力最終ラインより前にいる選手たちでボールを取りきる、仮に球際で勝てなくてもハメスに後方へのパスを選択させるようなパスコースの切り方を心がけたいですね。

また、先ほどご説明した通り彼はサイドチェンジを得意としているので、日本代表としては彼がボールを保持した際、ファーサイドから走り込んでくる他の選手の動きも捕捉する必要があります。彼の近くにいる選手へのパスコースを切ることだけに気を取られがちですが、ファーサイドへのパスコースもしっかり切り、なるべく彼からプレイの選択肢を奪うことが重要だと思います。

鍵を握るのは、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督がどういう守り方を選ぶかです。スピードに乗った彼を単独で止めることができる選手は世界規模で見ても限られるので、監督はおそらくゾーンディフェンスを採用すると思います。ただ、最近ではハメス・ロドリゲスにマンマークをつけるチームも増えてきているため、ハリルホジッチ監督が奇策に打って出る可能性も捨て切れません。コロンビア代表戦をご覧になるときは、選手がどんな動きでハメスと対峙するのか、ぜひ注意して見てみてください。

ではでは、また来週お会いしましょう!

水沼貴史(みずぬまたかし):サッカー解説者/元日本代表。Jリーグ開幕(1993年)以降、横浜マリノスのベテランとしてチームを牽引し、1995年に現役引退。引退後は解説者やコメンテーターとして活躍する一方、青少年へのサッカーの普及にも携わる。近年はサッカーやスポーツを通じてのコミュニケーションや、親子や家族の絆をテーマにしたイベントや教室に積極的に参加。幅広い年代層の人々にサッカーの魅力を伝えている。




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