[レスター岡崎の仲間たち 4]彼がいなければ躍進はなかった! チームを支える小さなボールハンター

その働きをデータが証明

その働きをデータが証明

カンテの粘り強いプレイが、やがてバーディらのゴールに結びつく photo/Getty Images

プレミアリーグ第25節を終えて首位と、驚異の躍進を続けるレスター・シティの戦いぶりは、近年のフットボール界で最大のサプライズと言ってよいかもしれない。もはや弱小などと蔑む人はいなくなり、世界じゅうのフットボールファンが驚きと敬意をもって、このスモールクラブに声援を送っている。

そんなレスター躍進の立役者といえば、誰もがジェイミー・バーディやリヤド・マフレズの名を挙げるだろう。しかし、レスターのゲームを毎節見ている方であれば、彼らに勝るとも劣らない貢献をする選手がいることに気づいているはずだ。中盤で圧倒的な運動量を発揮するMFエンゴロ・カンテである。

3月に25歳を迎えるカンテは、フランスのパリ出身。名前から想像できるようにアフリカにルーツを持ち、マリの国籍も持った選手だ。そのキャリアは2010年に、フランスのUSブローニュの下部組織に入団したことに始まり、2011年に同クラブでプロデビューを果たしている。バーディも数年前までアマチュアだったことが話題となったが、カンテもまた、数年前までプロとしてのプレイを経験したことがない選手だったのは驚きだ。その後、2013年にリーグドゥのSMカーンに移籍。同クラブで評価を高め、レスターにやってきたのは昨夏のことだ。

彼の強みは、その運動量とボール奪取能力にある。身長169cmと極端に小柄であり、とてもプレミアの屈強な選手たちに対抗できるとは思えないのだが、俊敏に動き回って実にうまくボールを奪う。クラウディオ・ラニエリ監督も「マケレレを思い起こさせる」「欧州最高のMFになれる」と、カンテのプレイに賛辞を惜しまない。

データを見ても、カンテの貢献は明らかだ。2月14日現在、レスターはリーグでもっともインターセプトを成功させているチームである。データ分析サイト「WhoScored.com」によれば、1試合平均のインターセプト数で3位がアーセナルの19.3回、2位がワトフォードの21.5回だが、レスターはそれを凌ぐ21.8回のインターセプトを成功させている。タックル成功数もきわめて優秀で、リーグトップのリヴァプールの23.2回に次ぐ22.6回という数字を記録している。そして、インターセプト成功数、タックル成功数ともに、チームトップの成績を叩き出しているのが他でもないカンテなのだ。

チーム個々のスタッツをレギュラー組に絞って見てみると、インターセプト成功数3位がDFダニー・シンプソンで1試合あたり2.9回、2位がクリスティアン・フクスで3.2回であるのに対し、カンテは4.1回。タックル成功数も3位の相棒ダニー・ドリンクウォーターが1試合あたり2.8回、2位がフクスの3.1回であるのに対して、カンテはやはり4.1回という優秀な数字を出している。これだけ見ても、彼の中盤での働きがいかに重要かが分かる。そして、レスターの得点パターンのほとんどがボールを奪ってからのカウンターアタックであることを考えれば、もはや彼なしではレスター躍進はあり得なかったと言っても過言ではない。ちなみに、ここまでカンテが受けたイエローカードはたったの2枚、レッドカードはゼロである。ダーティなプレイでボールを奪っているわけではないことも付け加えておきたい。

エティハド・スタジアムでマンチェスター・シティを喰った先日のゲームでは、カンテは後半開始早々にマフレズのゴールをアシスト。攻撃センスにも磨きがかかってきたように思える。万能型MFへと進化を遂げようとするカンテには、今夏のEURO2016に向け、フランス代表に呼んではどうかという声もあるようだ。パリSGのブレーズ・マテュイディなどの常連たちを押しのけ、代表の中盤で走り回るカンテの姿が見られる日も近いかもしれない。

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