今やハイラインが完全に弱点になっているバルサ それでも指揮官は今の戦術を貫く姿勢を見せるも、スペインメディア「戦術を見直す必要がある」

バルセロナのハンジ・フリック監督 photo/Getty Images

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3−3のドロー

現地時間5日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ・リーグフェーズ第4節にてバルセロナはアウェイでベルギーのクラブ・ブルッヘ(ベルギー)と対戦。試合は3−3のドローに終わり、リーグフェーズストレートインを目指すバルサにとって痛い結果となった。

試合は開始早々6分にニコロ・トレゾルディに先制点を奪われるも、2分後にフェラン・トーレスが決めて同点に追いつく。だが17分にバルセロナのCKからカウンターを発動させ、カルロス・フォルブスに決められ再びリードされる。前半を2−1で終え、61分にラミン・ヤマルのゴールでスコアを振り出しに戻したが、直後にまたフォルブスに決められまたリードされる。77分にヤマルが相手のオウンゴールを誘発しなんとか追いついたが、試合は3−3のドローでタイムアップ。昨シーズン同様、8位以内ストレートインを目指すバルサにとって痛恨のドローとなった。

この試合で議論を呼んでいるのがバルサのハイライン戦術だ。昨シーズンはまだ機能していたものの、イニゴ・マルティネスの退団や、昨シーズンの3冠の立役者であるハフィーニャの離脱、直近ではペドリの不在や、今季加入したマーカス・ラッシュフォードの守備の問題など今シーズンは色々問題が重なりうまく機能していない。直近8試合で15失点を喫しており批判も相次ぐ中、バルセロナの指揮官ハンジ・フリックはこの試合を振り返り「決して簡単な試合ではない。確かにチャンスはいくつか作ったが、相手は非常に良いプレイをしていた」とコメント。現状について「「正直に言うと、我々は効果的にボールをプレスできていない。特に中盤でのデュエルはスピードのある選手たち相手に非常に重要だったが、何度も負けてしまった。我々の哲学を貫くためにも、最終ラインでの守備をもっと強化する必要がある。もっと改善できるはずだ」と語った。
「我々にとって重要なのは、ボールを持っていない時のインテンシティだ。守備を固めるか、自分たちの哲学を貫いて改善していくかだ。インテンシティがなければ、チャンピオンズリーグではどうすることもできない。全てを変えるべきだという話もあるが、私はそのような変化を起こすタイプの監督ではない。我々は自分たちのDNAに従ってプレイしたい。ブロックを低くして1-0で勝つようなサッカーは望んでいない。何よりも、相手が1、2タッチでチャンスを作った時には警戒する必要がある。最終ラインだけでなく、中盤での守備も重要だ。我々はそこを分析し、改善しようとしている。必ず改善できる。これはチームの問題で努力しなければならない。チームにとってベストな状況ではないことは分かっているが、集中している」

現状、この方針を変えることはないと語っていたフリック監督だが、ジャーナリストのミゲル・キンタナ氏は『MARCA』が運営する自身のラジオ番組『La Pizarra de Quintana』にて、「フリックは戦術を見直す必要がある」と警告。バルサが本来の自然な動きを取り戻すまで守備ラインを調整する必要があると考えており、「時には一歩後退することで、二歩前進できることもある」と語っていた。

バルセロナは現地時間10日にアウェイでセルタと対戦。代表ウィークを挟み、23日にアスレティック・ビルバオ、26日にはCLリーグフェーズ第5節アウェイでチェルシー戦、さらには12月3日にアトレティコ・マドリードとの対戦が控えている。果たしてここから調子を取り戻せるのか。

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