連敗が続いていたものの、第10節アストン・ヴィラ戦に勝利したことで順位を3位まで回復させたリヴァプール。この勝利を足がかりに、軌道修正していきたいところだ。
 
しかし、開幕からここまででさまざまな問題が浮き彫りになった。守備の脆さ、モハメド・サラーの不調、フロリアン・ヴィルツの使い方、そして今夏獲得したウーゴ・エキティケ、アレクサンデル・イサクの2人のストライカーをどう共存させるかだ。
 
今のところ結果を出しているのはエキティケの方で、プレミアリーグで3ゴール1アシストを記録している。イサクは現在負傷中のため問題は先送りになっているが、すったもんだの末に莫大な移籍金で獲得したストライカーを使わないわけにもいかない。リヴァプールのレジェンドであるジェイミー・キャラガー氏も、一流のストライカーを2人抱えていることがアルネ・スロット監督の頭痛の種になると『sky sports』で語った。
「簡単ではないことは十分に理解している。同じポジションでプレイするストライカー2人をその金額で獲得することについては、常に懸念を抱いていた。リヴァプールが2人のストライカーをピッチに立たせることは非常に難しい。容易なことじゃない。エキティケが好調だったにもかかわらず、イサクをチームに入れようとしたのは理解できる。彼は素晴らしい選手だし、コンディションを整える必要もあるし、高額の移籍金も払っている」
「この先、このことがどう機能するのかまったく想像がつかないが、今はエキティケがユニフォームを着て、本当にいいプレイをしている。彼(イサク)がチームを離れてトレーニングでもっと体力をつければ、イサクにとっては少しは良いことになるだろう」
CLレアル・マドリード戦もまだイサクは起用できないようで、イサクのコンディションが上がってくるのがいつになるのかは心配される。しかし万全で復帰したとして、エキティケと共存できるのかについては難しさがある。今のところ両選手がともに先発したのはCLフランクフルト戦のみだ。この試合は大勝を収めておりパフォーマンスは良かったが、チームのエース格であるサラーを休ませていた。不調とはいえサラーをいつまでもベンチに置くわけにもいかない。
ストライカーとしての「格」でいえばイサクの方が上ということになるのだろうが、好調のエキティケをあえてベンチに置く理由も今のところない。スロット監督がこの問題を解決できるかが、今後の浮沈の鍵を握っているかもしれない。