失点をGKの責任にする傾向にあるとの声も
9日、パリ・サンジェルマンはリールからフランス人GKリュカ・シュヴァリエの獲得を発表した。
昨季チャンピオンズリーグを制したPSGではジャンルイジ・ドンナルンマが守護神を務めてきたが、今夏には退団の話もある。シュヴァリエの加入でその話はさらに加速することになるかもしれない。
伊『Gazzetta dello Sport』は、PSGがGKにとって非常に厳しい環境だと取り上げる。ここ14年でPSGには多くの実力派GKが加わってきたが、絶対的な地位を築いた選手はいないと言える。
この14年とはカタール・スポーツ・インベストメント(QSI)が2011年にクラブを買収したところから計算していて、当時のチームにはイタリア人GKサルヴァトーレ・シリグがいた。
しかしシリグも絶対の守護神とは判断されず、2015年にはフランクフルトからケビン・トラップが加入。そのトラップは2017年のチャンピオンズリーグ・ベスト16のバルセロナ戦で1-6の衝撃逆転負けを経験することになり、そのパフォーマンスが厳しい評価を受けた。
翌年にはPSGのアカデミーで育ってきたフランス人GKアルフォンソ・アレオラが本格合流し、フランス国内のメディアからは自国のGKであるアレオラ起用を求める声も多く挙がったが、ワールドクラスのGKにはなりきれなかった。トラップは2018年に退団し、同年には大ベテランのジャンルイジ・ブッフォンが加入。
2019年にはセルヒオ・リコ、ケイロル・ナバス、2021年にはドンナルンマが加入。同メディアはCLで負けるたびにGKが批判の対象になっており、敗戦の理由をGKに押し付ける傾向があると指摘。PSGのGKはなかなかに難しいポジションと言えそうだ。
ドンナルンマは昨季のCL制覇に貢献したが、その一方で足下の技術やハイボール対応などが批判の対象となり、指揮官ルイス・エンリケのフットボールに合っていないとの声もあった。
その解決案として今夏にシュヴァリエが獲得されることになったが、シュヴァリエにとっても簡単な環境ではない。同メディアは「この任務を遂行できることを証明しないといけない。パリではミスが他のチームより重くのしかかる傾向にあり、あらゆるプレッシャーや批判に耐えなければならない」と伝えている。
この14年間で絶対の守護神と呼ばれた選手は少ないと言えるが、23歳と若いシュヴァリエは絶対的な存在になれるだろうか。