今季のパリ・サンジェルマンは国内リーグでこそ無敗で首位をキープしているものの、チャンピオンズリーグの方ではリーグフェーズ制で大苦戦。11月26日に行われたリーグフェーズ第5節ではバイエルンに0-1で敗れ、現在パリは全体25位に位置している。これはリーグフェーズの敗退ラインであり、このままでは決勝トーナメント・プレイオフにも進めない。
伊『Gazzetta dello Sport』はチーム内部の状況がよくないと指揮官ルイス・エンリケの起用法に疑問を抱いている。まず、補強策が思うように機能していない。
昨夏にはインテルを離れたDFミラン・シュクリニアルをフリーで獲得したが、エンリケはシュクリニアルを戦力とカウントしていない。今夏の移籍も噂されたが、結局パリに残ったシュクリニアルはここまでリーグ戦5試合に出場しただけだ。
センターフォワードのランダル・コロ・ムアニも微妙な立場にある。特に10月からは出番が激減し、直近6試合では33分しかプレイしていない。エンリケはゴンサロ・ラモスの方を好んでいるようだが、ラモスは開幕直後から怪我で離脱してしまった。現在は復帰しているが、まだリーグ戦は2試合に出場したのみ。その間はイ・ガンインの0トップ起用を試すなど、コロ・ムアニを活かせていないのは勿体ない。
さらにGKでは絶対守護神だったジャンルイジ・ドンナルンマをベンチに置く機会もあり、前述の0-1で敗れたCL・バイエルン戦ではドンナルンマの代わりにロシア代表GKマトヴェイ・サフォノフを起用。エンリケはバイエルンの前からのプレス強度を考えてサフォノフを選んだとコメントしているが、結局そのサフォノフのミスからバイエルンに得点を与えてしまった。
ドンナルンマにとっては面白くない展開のはずで、同メディアはバイエルン戦の一件からサフォノフ、ドンナルンマ両方の信頼を失う結果になったのではないかとエンリケの手腕を疑問視している。
仏『L’Equipe』も一部選手たちがエンリケの采配に不満を抱えていると伝えており、何やら不穏な空気だ。チームの空気が盤石でないのは明らかで、キリアン・ムバッペの抜けたチームは難しい時期を迎えている。