「左SB起用」「開始5分ゴール」「PK献上」と忙しい1日に 便利に使われがちなハフェルツは何を得意とする選手だったか

天国と地獄を味わったハフェルツ photo/Getty Images

何をさせたかったのか

ドイツ代表はトルコと親善試合を行い、2-3と敗れた。

この試合、ドイツ代表のユリアン・ナーゲルスマン監督はアーセナルMFカイ・ハフェルツを左サイドバックで起用するという奇策に出る。開始5分、セットプレイからの流れでレロイ・サネが折り返したボールにハフェルツが合わせて先制。アーセナルでゴール欠乏に苦労しているハフェルツは久々のオープンプレイからのゴールを手にした。

しかし、ドイツはその後がよくない。前半のうちに2失点すると、49分にニクラス・フュルクルクのゴールで追いついたものの、68分にハフェルツがPA内でハンドをとられ、PKを献上。これをユスフ・サリに決められ、ドイツは新指揮官のホームデビュー戦で敗戦を喫した。
慣れないSB起用、久々のゴール、苦いPK献上と忙しい思いをしたハフェルツ。気になるのは、ナーゲルスマン監督が彼に何をさせたかったのかということだ。

現在のドイツ代表は左SBの人材不足で、本職がCBのニコ・シュロッターベックが務めたりと定位置を確保する選手がいなかった。そのこともあっての奇策だったのかもしれないが、ハフェルツはMF化するでもなく、守備が特別良かったわけでもなく、慣れない役割でPKを献上してしまった。

リーグ36得点を記録したレヴァークーゼン時代は攻撃的MFとして、のびのびとプレイしていた印象のハフェルツ。チェルシーに渡ると最前線のCFや右ウイング、アーセナルでは左インサイドハーフと、さまざまな役割を与えられるようになったが、彼がなにを得意とする選手だったのか思い出せないというファンも多いのではないか。

今回、ついにDFとして起用されたハフェルツ。ユーティリティ性が評価されているという言い方もできるかもしれない。しかし本人はリーグ戦も含め、プレイに迷いがあるように見える。ハフェルツの本来の姿はどんなものだったか、ナーゲルスマンもアルテタももう一度思い出すべきかもしれない。

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