英プレミアリーグは財務規定違反で、エヴァートンに10ポイントの勝ち点剥奪処分を課した。同クラブは21-22シーズンの終了期間において、プレミアリーグの収益性と持続可能性に関する規則(PSR)に違反したとの発表だった。
5日間にわたる公聴会が行われ、独立委員会は当該期間の損失額が1億2450万ポンドに達しており、プレミアリーグが定めた基準値の1億500万ポンドを上回っているとした。これにより前述の処分が課されることになり、エヴァートンは現在リーグ19位にまで転落してしまった。エヴァートンは控訴する方針だという。
これに対し、イギリス国内では辛辣な意見も出ているようだ。財務違反を犯した疑いがあるのはエヴァートンだけではないからだ。真っ先に思い出されるのはたびたび話題となるマンチェスター・シティだ。英『Daily Mail』のイアン・ハーバート記者は、「PSRのルールは、2014年にマンチェスター・シティがアブダビのスポンサー契約の金額を釣り上げたとして4900万ポンドの罰金を課せられたのを見ながら、過去10年間にわたってサッカーの持続可能性を生み出す試みを行ってきた我々にとっても困惑するものだ」とコラムで綴った。
同氏のコラムによればエヴァートンには透明性があり、マンチェスター・シティは秘密主義だ。少なくとも2009年からFFP違反で115件もの告発を受けたマンチェスター・シティが繰り広げてきた法廷闘争と比べて、エヴァートンは大きく前進していると語っている。
「シティから必要な書類を引き出すことは不可能だったので、プレミアリーグは昨年、裁判所に訴えて書類を入手するための手続きを開始した。エヴァートンの1つの違反が10点の減点にあたる場合、シティが有罪判決を受けたら100点にもなるだろうか? フットボール界は見ている」
また「これは見せしめを意図している。独立規制に対する先制攻撃だ」とも綴られている。シティ、そしてチェルシーも財務違反の疑いがあり、エヴァートンへの処分を皮切りに制裁へとつながる可能性がある。
そうなればリーグテーブルも大きく狂うことになるが、今後どうなるだろうか。