2018年ワールドカップ・ロシア大会を制し、2022年カタール大会でも準優勝という結果を残したフランス代表。24歳のFWキリアン・ムバッペは世界のトップへ上り詰めようとしており、23歳のMFオーレリアン・チュアメニや20歳のMFエドゥアルド・カマヴィンガなどといった期待の若手も次々に出てきている。
一方で期待されたようなキャリアを描けなかったフランス代表選手も多数存在する。ヨアン・グルキュフ氏はその代表格の一人と言える。
2003年にスタッド・レンヌでプロとしてのキャリアを歩み始めたグルキュフ氏は、フランス代表のレジェンドであるジネディーヌ・ジダン氏の後継者とも目されたが、そのポテンシャルを最大限に引き出すことはできなかった。ミラン、ジロンダン・ボルドー、オリンピック・リヨンなどといったクラブを渡り歩き、2018年7月から2019年1月まで所属したディジョンでのプレイを最後に現役生活を終えている。
『Get French Football News』によると、グルキュフ氏は先日応じたインタビューの中で自らのキャリアを振り返っており、サッカーをやめた今の生活が充実していることを強調している。現在彼はアマチュアテニス選手としても活動しているようだが、家族との時間をより大切にしているようだ。
「試合は好きだった。トレーニングも試合もね。だけどそれ以外の部分の重要性や、人前に出る機会がどんどん増していった。自分には合っていなかったよ」
「キャリアを終えた経験はとても良いものだった。自分らしさを取り戻すことができたし、自分をコントロールできるようになった。サッカー界を離れたことは私に多くの利益をもたらしてくれた」
「(今の)私は専業主夫と言っても差し支えない。毎日が忙しくても、子供たちの成長を毎日見ることができるのは 私の特権だよ」
ジダン氏と重ねられるほどの才能を持つ選手がフランス代表の中心に君臨しなかったことは残念だが、プロサッカー選手として長きに渡って活躍し、引退後に幸せな生活を送ることができている彼の人生は素晴らしいものと言えるだろう。今後も彼の幸せが続いていくことを願うばかりだ。