移籍金“約21億円”はバーゲン価格? 謎の存在だったマラシアがマンU1年目から見せているバックアッパー以上の働き

1年目から貴重な戦力として機能しているマラシア photo/Getty Images

ショー不在でも不安が少ない

今季のマンチェスター・ユナイテッドにおける一つのサプライズと言っていいだろう。夏の移籍市場における最初の補強となったDFタイレル・マラシアがバックアッパー以上の働きを見せている。
 
エリック・テン・ハーグ監督が新たにチームの指揮官に就任し、心機一転、再スタートを切った今季のマンU。そんな中で彼らがフェイエノールトから獲得したのが左サイドバックを主戦場とするマラシアであり、移籍金はおよそ1300万ポンド(約21億円)+ボーナスと言われている。
 
マンUの左SBにはイングランド代表DFルーク・ショーが君臨している上、当時はまだDFアレックス・テレスや下部組織出身DFアルバロ・フェルナンデスといった選手のローン移籍も決まっていなかった。MFポール・ポグバを始めとする他ポジションの選手が一気に退団したこともあり、今季最初の補強がそれほど名の知れていない左SBの選手というのは少々驚きだった。
 
しかし、マラシアはシーズン序盤からその存在価値を証明している。マンUがブライトンとブレントフォード相手に開幕2連敗を喫すると、第3節リヴァプール戦ではマラシアがショーに代わって先発出場し、2-1の勝利に貢献。ショーが調子を取り戻すまでのしばらくの間はスタメン起用が続いた。
 
その後はヨーロッパリーグを始めとするカップ戦での出場がメインとなっていったが、場合によってはDFディオゴ・ダロトが出ずっぱりとなっていた右SBも担当するなど、加入1年目からマンUの最終ラインを支え続けている。最近はショーのセンターバック起用が増加していることもあり、彼の需要はまた少し高まった。
 
マラシアのこういった活躍を受け、英『Manchester Evening News』も「十分過ぎるほどのショーのバックアッパーだ」と彼のことを高く評価している。マラシアの先発した直近公式戦15試合でマンUが無敗だという事実にも触れつつ、「彼の獲得は間違いなく近年続いていた失敗補強の一つではない」という見解を示した。
 
まだプレイに多少の粗さは見えるものの、年齢は23歳とピークはこれから。ショーの背中を見ながら適度に出番も得られているマラシアの成長には、今後も期待を抱かざるを得ない。

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