ワールドカップ・カタール大会へ向けて準備を進める中、今夏オーストラリア代表に衝撃が走った。
チームのキーマンだった29歳のMFトム・ロギッチがセルティックを離れ、無所属のままシーズンを始めてしまったのだ。
オーストラリア代表として2012年より53試合をこなしているロギッチは、日本のサッカーファンの間でも有名な大型MFだ。オーストラリアにとっては貴重なチャンスメイカーで、カタール大会でも主軸になることが期待されていた。
ところがセルティックとの契約が今夏切れてしまい、ロギッチの新天地は9月まで決まらなかった。様々な移籍先が噂されたが、最終的にロギッチが契約したのはイングランド2部のWBAだ。
移籍先としてベストな選択かは分からないが、WBAに移籍してからもロギッチのパフォーマンスレベルは上がっていない。フィットネスの問題で9月はプレイできず、10月からここまでリーグ戦150分をこなしただけだ。
チームは10月10日までスティーブ・ブルースが指揮していたが、退任。25日からはカルロス・コルベランが指揮しているが、コルベランはロギッチにまだ時間が必要との見方を示している。
「ロギッチは適応に時間が必要だが、彼は正しい方向へ進んでいると思う。ベストな状態に達するのは選手全員の挑戦であり、彼も同じだ。サッカー界に過去は存在しない。存在する唯一のものは現在であり、我々は今この瞬間を勝ち取るべく最善を尽くす」 (Glasgow Times』より)。
ロギッチは6月に行われたペルー代表との大陸間プレイオフも欠場し、9月に行われたニュージーランドとの親善試合もコンディションの問題で回避している。ロギッチが起用できないとなればピンチだが、オーストラリアを指揮するグラハム・アーノルドはロギッチをどう見ているのか。カタール大会を前に痛い夏となってしまった。