PSGにクラブとしての“文化”はあるか MNM爆発も残るCL制覇への不安

驚異の破壊力を見せるMNM photo/Getty Images

守備の問題をMNMの攻撃力で隠しているとの指摘も

今季は序盤からパリ・サンジェルマンが誇るMNMが爆発しており、その攻撃力は世界トップクラスだ。リオネル・メッシ、ネイマール、キリアン・ムバッペのトリオはあらゆる守備を破壊する力を備えるが、パリは今季こそチャンピオンズリーグを制覇できるだろうか。

気になる点があるとすれば、やはり守備だろう。今季はクリストフ・ガルティエを指揮官に迎えて3バックにトライし、その後4バックも導入するなど攻守のバランスを取るべくテストを重ねてきた。MNMを活かしつつ、守備も安定させるのが理想だが、今季のチャンピオンズリーグ・グループステージでクリーンシートはゼロだった。

格下となるマッカビ・ハイファ相手にも2試合で3失点しており、こうした守備の緩い部分をMNMの破壊力で見えにくくしているとの指摘もある。決勝トーナメントで強豪と対戦し、MNMが封じられた場合にどう対応するのか。この守備力では接戦を落としてしまう可能性も考えられる。
今回のグループステージも問題なく突破は決めたものの、ベンフィカとは2試合続けて引き分けてしまった。最終的にはベンフィカに首位通過を譲る格好となり、守備の部分にはモヤモヤするところも多い。

米『ESPN』はパリの破壊力は認めているものの、他のメガクラブに比べて『クラブの文化』が不足していると指摘する。昨季チャンピオンズリーグを制したレアル・マドリードにこうした文化や特別なプライドがあるとするなら、パリにそれは備わっているだろうか。個のタレント力だけで制覇できるほどチャンピオンズリーグは甘い大会ではないのだろう。

また11月からはワールドカップ・カタール大会がスタートし、大会後にMNMのモチベーションが維持されているかも気がかりだ。今はメッシとネイマールもワールドカップに向けて状態を上げている段階で、大会で燃え尽きる可能性も否定できない。

戦力的にチャンピオンズリーグ優勝候補なのは間違いないが、ガルティエは最後までチームをまとめられるだろうか。

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