マグワイア&C・ロナウドの2トップ、[3-3-3-1]への布陣変更…… 今回は当てが外れたテン・ハーグの采配

途中出場から前線のターゲット役を担ったマグワイア photo/Getty Images

CL敗退チームとの対戦が待つプレイオフ行きとなってしまった

4日に行われたヨーロッパリーグのレアル・ソシエダ戦を0-1の勝利で終えたものの、グループステージ首位通過まであと1ゴールが必要だったマンチェスター・ユナイテッド。エリック・テン・ハーグ監督は追加点を奪うために、思い切った選手交代や布陣変更などを試みたが、結果的にこれは上手くいかなかった。
 
FWアントニーやFWジェイドン・サンチョといったウインガーたちが負傷や体調不良の影響でメンバー外となった今回のソシエダ戦。マンUの2列目は左から、18歳のFWアレハンドロ・ガルナチョ、今季公式戦初先発のMFドニー・ファン・デ・ベーク、普段はトップ下を務めることの多いMFブルーノ・フェルナンデスという見慣れない並びとなった。
 
ところがこの采配が的中し、マンUは先制に成功する。17分、B・フェルナンデスがGKダビド・デ・ヘアからのロングボールをフリックすると、1トップを務めたFWクリスティアーノ・ロナウドがこれを収め、左サイドへスルーパス。駆け上がったガルナチョがトップスピードを維持したままフィニッシュまで持ち込み、記念すべきトップチーム初ゴールを記録した。
 
こうして幸先よく1点のリードを得たものの、決勝トーナメントプレイオフ行きを回避するためには少なくとももう1ゴールが欲しいマンU。しかし、42分にロナウドがキーパーとの1対1を外してしまうなど、追加点を奪うには至らず。スコアは0-1のまま後半を迎えた。
 
テン・ハーグ監督が動いたのは58分。ファン・デ・ベークに代えてFWマーカス・ラッシュフォード、DFヴィクトル・リンデロフに代えてMFスコット・マクトミネイを投入。ディフェンスの枚数を1枚減らし、[3-3-3-1]という布陣に変更した。
 
しかし、これが逆効果となってしまったのか、マンUはこれ以降なかなかチャンスを作ることができず。82分にはDFハリー・マグワイアを投入し、ロナウドと2トップを組ませるという賭けに出たが、最後まで2ゴール目を奪うことはできなかった。
 
英『Manchester Evening News』によれば、テン・ハーグ監督は試合後、自らの采配についてこのように言及している。
 
「まず言えるのは、ドニー(ファン・デ・ベーク)が長い間離脱していたということだ。彼は90分間プレイすることができなかったから、60分の時点でベンチに下げるつもりだった。それに追加点が必要だった。そのため、より攻撃的な選手を投入し、中盤での4対4の攻防を増やした。その瞬間から我々はより多くのリスクを冒すようになった」
 
「(マグワイアが前線に入った理由は)明らかだ。我々はゴールが必要だったし、より多くのチャンスを得た。クリスティアーノ(・ロナウド)とハリー・マグワイアがいるということは、良いヘッダーが2人いることになる。そして、我々はよりダイレクトにボックス内へ侵入しようとしたし、実際に何度かそうなったと思う。よりスピーディーに相手ボックス内に入ることができた」
 
結果や内容は伴わなかったが、その意図にはある程度の納得感もある今回のテン・ハーグ采配。そもそも、前回対戦で敗れていたソシエダ相手に勝利したことや、公式戦無敗記録を9試合に伸ばしたことは評価に値する。日を追うごとにチームの完成度を高めていることもあり、今回の失敗だけでテン・ハーグ監督にケチをつけることはできないだろう。

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