ラウタロは伝説のミリートへ近づけるか チームに3冠もたらしたアルゼンチンの点取り屋との比較

インテルで活躍したミリート photo/Getty Images

ミリートに続くアルゼンチン人FWがインテルのエースに

近年インテルで活躍したアルゼンチン人FWといえば、やはり2009-10シーズンに3冠をもたらしたFWディエゴ・ミリートのインパクトが強い。ここぞの勝負強さを持つ典型的なセンターフォワードで、チャンピオンズリーグ決勝のバイエルン戦でも2ゴールを奪った。

偉大なる先輩に続けるのか。現在インテルを引っ張っているのは、アルゼンチン代表FWラウタロ・マルティネスだ。代表でも大きな期待をかけられているラウタロも一流のアタッカーで、セリエAでもきっちりゴールを奪えている。

ただ、ミリートの領域に達するにはもう少し時間が必要なのかもしれない。伊『Gazzetta dello Sport』にて2人を比較したのは、こちらもアルゼンチンを代表するストライカーだったエルナン・クレスポだ。
クレスポは2人の実力を10点満点で採点しており、ややミリートの方に高い評価をつけている。

「空中戦ではミリートがパワーの観点から9点、ラウタロは8点だ。ミリートはサイズもあるが、ポジショニングとクロスに対する読みが鋭く、ボールを受けるのに適切なポジションを理解していた。その達人とも言えるね。ラウタロはもう少し本能的で、ジャンプもそれほど高くない」

「右足の精度はミリートが8.5、ラウタロは9だ。ミリートは素晴らしいテクニックを持っていたが、ラウタロはボックスの外からでもゴールを狙える右足を持っている。どこからでもシュートが打てて、ほぼ枠に飛ばしてくるね。左足もラウタロが上かな。ラウタロが8.5、ミリートは8だ。ラウタロは右でも左でも違いはないようだ」

現エースはラウタロだ photo/Getty Images

「得点感覚ではミリートが9.5、ラウタロは8.5だ。ミリートは頭の中にゴールを描けていて、GKの位置を見る必要さえなかった。どこにボールを置くべきか分かっていたんだ。ラウタロはやや一貫性に欠け、シュートまで時間がかかることが時々あるね。もっとも彼は典型的なセンターフォワードではなく、サポートストライカーとしてもプレイできるからアシストも得意だけどね」

「リーダーシップではミリートが9点、ラウタロが8点だ。ミリートは寡黙なリーダーだったけど、仲間からリスペクトされていた。彼の声はロッカールームでも重みがあったね。その意味では、ラウタロはまだ改善の余地がある。彼はまだ若く、真のリーダーになるべく個性を引き出す必要がある。彼はまだチームに依存しているところがあるね」

ドリブルに関しては、クレスポは両者に同じ9の評価をつけている。ほとんど差はないが、ラウタロもリーダーシップの部分はまだ伸ばせるか。いずれにしても、ミリートと同じ評価を得るにはインテルを欧州カップ戦の成功に導く必要があるだろう。今季はベスト16へ進むチャンスがあり、ラウタロが欧州の舞台でどこまで数字を残せるか楽しみだ。

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