あの頃の強さを取り戻すのはいつになるか
昨季プレミアリーグで6位に終わったマンチェスター・ユナイテッドは、リーグ戦で57ゴールしか奪えなかったことが話題を呼んだ。ビッグクラブらしくない数字であり、クリスティアーノ・ロナウドが復帰したシーズンとしては寂しい結果だ。
そんな中、注目されたのが2007-08シーズンのチームだ。このシーズンにマンUはプレミア&チャンピオンズリーグを制しているのだが、何とこのシーズンは前線の3枚だけで昨季と同じ57ゴールを奪ったのだ。
当時マンUの攻撃を引っ張っていたのはウェイン・ルーニー、カルロス・テベス、そして若き日のクリスティアーノ・ロナウドだ。ロナウドはリーグ戦で31ゴール、ルーニーは12ゴール、テベスは14ゴールを挙げており、この3人を軸とした攻撃は圧巻だった。
彼らフレッシュなトリオをポール・スコールズ、ライアン・ギグス、マイケル・キャリック、オーウェン・ハーグリーブスといった中盤の実力者がきっちりと支え、守備はリオ・ファーディナンドとネマニャ・ビディッチの黄金センターバックコンビで盤石の体制を築いていた。
かつてアストン・ヴィラでプレイし、同期間のマンUを知っているガブリエル・アグボンラホール氏も「あの頃のテベス、ルーニー、ロナウドは、私にとってプレミア最高のフロントスリーかもしれない。彼らは止められなかった」と振り返っている(英『TalkSport』より)。
現在のマンチェスター・シティ、リヴァプールの攻撃力も圧巻だが、当時のマンUの破壊力も見事だ。ロナウドがいてこその数字ではあるが、リヴァプールのフロントスリーにも負けぬインパクトがあったと言える。
あれから14年。マンUはあのレベルの完成度を再び手に出来るだろうか。名将アレックス・ファーガソン氏がいたからこそのチームと言うこともでき、実際にファーガソン氏が退任してからのマンUはバランスを欠いている。
スターだけでなく、DFジョン・オシェイやMFダレン・フレッチャーなどいぶし銀な働きを見せる選手もきっちり加えていたのがファーガソン流の特長で、サポーターはあの頃の粘り強く戦えるチームの再現を期待していることだろう。