トッテナムは昨季以上の完成度
昨季のイングランド・プレミアリーグはアジアサッカー界にとっても特別なシーズンだった。トッテナムに所属する韓国代表FWソン・フンミンが23ゴールを挙げ、リヴァプールFWモハメド・サラーとともにリーグ得点王を獲得したのだ。アジアのアタッカーがプレミアリーグで得点王を獲得するのは普通のことではない。
そのソン・フンミンは今月8日に30歳を迎えたが、米『ESPN』は新シーズンは昨季以上の数字を残すシーズンになるかもしれないと期待をかける。
プレミアリーグでの成績を見ると、2020-21シーズンから覚醒した感がある。ここ5年を振り返ると2017-18シーズンと2018-19シーズンは12ゴール、2019-20シーズンは11ゴールとなっており、この段階ではプレミア得点王を狙える気配はしなかった。安定的に二桁得点に乗せてくる優秀なアタッカーとの印象だったはずだ。
それが2020-21シーズンに17ゴールへ増え、昨季はついに20の大台を超えて23ゴールを記録。これから30代に入るが、ソン・フンミンはなかなかストイックな選手だ。30代半ばに入ったからといって、急速に衰えるケースは考えづらい。
新シーズンへ期待したいのは、まず何と言ってもハリー・ケインとのコンビネーションだ。これは時間をかけるほど成熟しており、今やプレミアNo,1のコンビと言っていい。互いの特長は完璧に理解しているはずで、新シーズンもトッテナムの生命線となる。
そこに今冬加わったデヤン・クルゼフスキもいる。クルゼフスキはシーズン途中の加入ながら昨季プレミアで8アシストを記録しており、右からのチャンスメイクには期待が持てる。さらに連携が深まることで、ソン・フンミンとケインとのコンビネーションはもっと良くなるだろう。
左ウイングバックに入るであろう新戦力のイヴァン・ペリシッチも見逃せない。ペリシッチもチャンスメイク力は高く、左でソン・フンミンと絡めるならアシスト量産の可能性もある。
戦力的には昨季開幕時点より上積みされており、指揮官アントニオ・コンテの哲学も浸透したはず。新シーズンはソン・フンミンが単独得点王なんてシナリオも考えられそうだが、進化はまだ止まらないか。