ムバッペ以上に輝いた夏の記憶 PSGから出てきた仏の怪物候補が《4年間リーグ戦0ゴール》だった

一時リーズにレンタル移籍していた頃のオーギュスタン photo/Getty Images

U-19欧州選手権ではフランスを優勝へ導いてMVPに

ミランGKマイク・メニャン、ライプツィヒMFクリストファー・エンクンクなど、最近はパリ・サンジェルマンのアカデミー出身者が他クラブで活躍を続けている。パリのアカデミーの優秀さを証明する結果となっているわけだが、同じパリ出身で2016年に大きな注目を集めたストライカーを覚えているだろうか。

パリのトップチームでも31試合に出場したFWジャン・ケビン・オーギュスタンである。

この名前を覚えている人も多いだろう。フランスの世代別代表にも招集されていたオーギュスタンは将来が嘱望されていた選手で、中でもハイライトは2016年の7月に行われたU-19欧州選手権だ。この大会で6ゴールを挙げたオーギュスタンは得点王&MVPをゲット。一躍世界的に有名な選手となった。
しかし、その後オーギュスタンは大きく躓いてしまった。2017年にはパリを離れてドイツのライプツィヒへ向かい、1年目はブンデスリーガで9ゴールと活躍。ところが、続く2018-19シーズンにはリーグ戦3ゴールと一気にトーンダウンしてしまい、そこからモナコ、リーズ・ユナイテッドへのレンタル移籍を挟み、2020年にフランスのナントに移籍するなどクラブを転々とするキャリアになった。

寂しいのは、オーギュスタンが2019-20、2020-21、2021-22シーズンと、3シーズン連続でリーグ戦ノーゴールに終わっていることだ。2019-20シーズンはマルセイユとの国内カップ戦で1ゴール記録したものの、リーグ戦では10試合に出場してノーゴール。

2020-21シーズン、2021-22シーズンもナントで結果が出ず、かなり影が薄くなってしまった。仏『Foot Mercato』によると、オーギュスタンは今夏にナントを離れてスイスの名門バーゼルと契約を結ぶことになった。ひとまずアタッカーとしてゴールが欲しいところで、最後にリーグ戦でゴールを奪ったのがライプツィヒ時代の2018年9月に行われたシュツットガルト戦というのは寂しすぎる。もう4年も前のことになるのだ。

ちなみに、2016年にU-19欧州選手権を制した当時のフランス代表にはパリ・サンジェルマンFWキリアン・ムバッペ、ボルシアMG所属FWマルクス・テュラム、マルセイユMFアミーヌ・アリ、ウェストハムDFイッサ・ディオプらがいた。

ムバッペはオーギュスタンより2つ年下ではあるものの、当時はオーギュスタンがチームの主役だった。ファイナルではイタリア代表を4-0で粉砕しており、オーギュスタンはこのゲームでもゴールを奪っている。

あれから6年。オーギュスタンは25歳となったが、フランスのA代表ではプレイしていない。世代別代表での活躍は強烈だったが、それで成功が保証されるわけではないのだろう。

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