マンチェスター・シティで長くプレイし、その後ベルギーのアンデルレヒトで監督となったヴァンサン・コンパニ。21-22シーズンは最終3位でリーグ戦を終えており、コンパニの監督としてのキャリアは順調に先へ進んでいるといえる。
そんなコンパニだがアンデルレヒトを退任し、バーンリーの監督になることが先日発表された。バーンリーは昨季プレミアリーグを戦い降格したクラブで、来季はイングランドの実質2部であるチャンピオンシップで戦うことになる。
守備力を強みに堅守速攻のスタイルを持つバーンリーだが、主力の放出は避けられない。英『Mirror』によると降格したことでALKキャピタルから借り入れていた6500万ポンドのローンを返済する必要があり、選手を売却して資金を作るようだ。同紙によればニック・ポープ、マクスウェル・コルネ、ボウト・ベグホルスト、ドワイト・マクニールに複数のクラブが興味を示しており、売却の可能性が高いようだ。
さらにバーンリーのスタイルとコンパニがアンデルレヒトで披露したスタイルは真逆のものというのも難しさを加速させることになる。バーンリーは前述したように堅守速攻だが、アンデルレヒトではシーズンでの平均ボールポゼッション率が54%を記録するボールを保持して主導権を握る戦い方であり、スタイルの落とし込みにコンパニは苦労することになるだろう。
「ベルギーでは若く過小評価されている選手を起用することの重要性を学びました」
ベルギーメディア『WALFOOT』ではバーンリーのこれからについて語っており、若手を積極的に起用することになると発言している。実際にアンデルレヒトでもジョシュア・ザークツィー(21)やヤリ・フェルスハーレン(20)ら若い選手を多くスタメンに並べており、好成績を残している。攻撃的なポジションからサイドバックにコンバートされ飛躍したセルヒオ・ゴメス(21)のような選手もおり、コンパニは若手との相性がいい。1年でのプレミア昇格は難しいかも知れないが、以前のバーンリーとは違ったスタイルのチームに生まれ変わっているかもしれない。
昨季のプレミアでは元アーセナルのパトリック・ヴィエラがクリスタル・パレスで監督として成功を収めた。コンパニのベルギーでの成果はヴィエラに続けると期待できるものであり、22-23シーズンはバーンリーに注目するのも面白いかもしれない。